「お腹を痛めてこそ母になる」無痛分娩は甘え? 実母から反対の声
無痛分娩に反対。「お腹を痛めてこそ母になる」の声
――里帰りを報告した時、家族はどのような反応でしたか? 母は妊娠を喜んでくれました。でも私が「無痛分娩で産むんだ」というと、顔をしかめて。「お腹を痛めてこそ母になるのよ。無痛分娩は甘えだし危険」と言われました。 ――その時、どう思いましたか? 親世代には、まだまだ無痛分娩への抵抗があるんだと感じましたね。 ――どうやって納得してもらったのですか? 「産むのは私だし!」という思いがあったので、納得してもらうというより自分で決めて勝手に進めた感じです。家族には友人が無痛分娩で産んだ話もしました。 ――家族以外の周囲の反応はどうでしたか? 母に反対された時、友人たちに相談したんです。ほとんどが無痛分娩に対して「いいじゃん」という反応でしたが、友人のひとりは「無痛分娩は、子どものことを考えてないような気がして私はしたくない」という意見。それを聞いた時は「無痛分娩を選択するのは、母親のワガママなのかな」と少し悩みましたね。 ――どういうところが「ワガママ」だと感じたのですか? リスクがあるのに、無痛を選択することです。事前に産院の先生から副作用のことや、麻酔の影響で分娩時間が長くなることなどの説明がありました。分娩時間が長くなるということは、それだけ赤ちゃんに負担がかかるということですよね。 母や友人の言葉が頭をよぎり、少し悩みました。でも、やはり産後のことを考えて、私は無痛分娩を選択したんです。 ――出産はどうでしたか? 無痛分娩といっても、まったく痛みがなくなるわけではなく、やっぱり陣痛は痛かったです。そして、無痛分娩のメリット・デメリットの両方を経験することになりました。
取材・文/毒島サチコ