阪神、金本監督の迷走采配で連敗
どうした金本!と声をあげたい。それほど金本監督の采配が迷走している。 8日、QVCマリンでの交流戦のロッテ戦を1-2で落とした。惜敗である。やりようによっては、3連敗中だったロッテをもっと苦しめることが可能だった。 3回、6回、いずれも無死一、二塁でバントができなかった。 「そこが一番でしょう」。金本は試合後そう語ったが、ベンチの迷走が明暗を分けた。 3回無死一、二塁で、2球続けてファウルでバントのできなかった北條へスリーバントを命じて、それがピッチャー正面に転がり三塁封殺となった。この場面のスリーバントは理解できた。だが、6回の無死一、二塁で「5番・DH」に起用していた狩野の打席には、ベンチの迷いが見えた。初球はバントのサイン。しかし「強いゴロを打たせたかった」という狙いで高いゾーンにストレートを投じてきた石川に対して、狩野は煽られるようにバントを失敗、ファウルにしてしまう。 するとベンチのサインはヒッティングに切り替わった。 「狩野の初球のバントを見ても、とてもできるようには思えなかった」とは、試合後の金本監督。結果、狩野は、シンカーに空振りの三振である。そのサインが、ヒッティングだったのか、あるいは進塁打だったのかは不明だが、狩野は自分のタイミングでバッティングができていなかったことは事実である。 元ロッテの西岡をスタメン抜擢しなかったことも不思議だが、狩野にクリーンナップを任せたのであれば、もう最初からバントでなくヒッティングで良かったのではないか。開幕直後の金本野球には、そういうイケイケの勢いがあったではないか。バント失敗を生んだのは、サインを途中で切り替えた中途半端なベンチの迷いだったといえまいか。 確かに無死一、二塁が阪神の鬼門になっている。5日の西武戦でも無死一、二塁で高山がバントに失敗した。 「練習しかない。やっているとは思うけれど自分を追い込んで、たとえば9回ノーアウト一、二塁の場面を想定をしながらやるとか、どこまで真剣にやっているのか」 金本監督はそう嘆いたが、高校、大学と主軸を打ってプロに入ってきた高山は、バントの機会も少なかっただろうし、ファームでも主軸を打ってきた狩野も、実戦でバントの機会は、ほとんどなかった。 しかも、北條にしても緊張でガチガチになっていればハンドリングの柔軟さが必要なバントを失敗する確率は、逆に高まる。