【MotoGP】KTM、2025年に追加のサテライトチーム獲得は「夢のシナリオ」と諦めず。問題は乗り換えてくれるチームがない可能性?
MotoGPに参戦するKTMは、2025年以降にふたつめのサテライトチームを獲得する目標を今も諦めていないという。 【ギャラリー】レッドブルF1とアルファタウリ、4人のF1ドライバー集合! MotoGPライダー達とカートバトル|ホンダ・レーシング・サンクスデー2023 KTMは2017年にMotoGPクラスに参入すると、2019年からテック3がサテライトチームに加わり、2023年現在も4台体制でレースを戦っている。 しかしKTMには、この4台のマシンだけではシートが足りないという問題があった。2024年に向けてKTMはファクトリーチームのブラッド・ビンダー/ジャック・ミラー、テック3・GASGASのポル・エスパルガロ/アウグスト・フェルナンデスというラインアップに対し、Moto2クラスからMotoGPクラス昇格を約束していたペドロ・アコスタのシートを用意しなくてはならなかった。特にフェルナンデスは2023年のルーキーで、わずか1年で契約を終了させるのではないかという動きには、不公平だという批判もあった。 最終的にKTMはエスパルガロとの話し合いを経て、彼をテストライダーとして、空いたシートにアコスタを座らせることになったが、育成ライダーに対して提示できるシートが不足しているという問題は明らかだった。 KTMとしても、スズキのMotoGP撤退によって空くことになった参戦枠を手に入れようという試みは進めていた。しかし運営のドルナ・スポーツは、この枠を新たに参戦を希望するメーカー向けて確保。KTMからの提案を拒否しており、目論見通りには運ばなかったという背景もある。 そのためKTMとしてはひとまず2024年は4台体制で引き続き参戦する。しかしKTMとしては依然としてふたつめのサテライトチームを獲得するという野望を諦めていないようだ。 最近『SpeedWeek』の取材に対し、KTMのモータースポーツディレクターを務めるベイラーが次のように語った。 「我々は3つめのチームを希望するのかどうかについて、2024年の序盤3ヵ月で決めたいと思っている。今日の段階で聞かれたなら、答えは『イエス、3チーム目が欲しい』と言うだろう」 「それも極めてシンプルな話で、4人ではなく6人のライダーを抱えられることはアドバンテージがあるからだ。グランプリ中によりコース上で走る時間が多くなり、データも比較できるし、若い新人もトップライダー4人とともにスタートすることでより良いチャンスがある」 「KTMファミリーに才能あるライダーをとどめておけるチャンスにもなる。MotoGPクラスにふたつの追加シートがあれば、我々のプロジェクトにとっては非常に有益なことだ。そのため、我々はメーカーとの契約が期限を迎える全てのサテライトチームと、2025年に向けて話し合いを行なうつもりだ」 「仮に2025年に3つめのチームを持てたとすると、我々は今の4人のライダーを継続し、さらにふたりを追加できる。これが私にとっての夢のシナリオだ」 なおKTMが2025年に向けて取りうる選択肢がどんなものかは、まだ分からない。VR46は2024年限りで現行のドゥカティとの契約が切れるが、彼らはドゥカティ継続か、もしくはヤマハに乗り換えるかで揺れていると見られている。 2024年限りでメーカーとの契約が切れる別のチームとしてはLCRがある。ただLCRも長くホンダと組んできている関係があり、乗り換えというのもなかなか難しいだろう。ホンダとしても、2024年はよりLCRとの関係を強化する意向を示している。 またRNF改めトラックハウス・レーシングも、アプリリアとのつながりを更に深める戦略を明かしているため、KTMがふたつめのサテライトチームを持つことは難しいだろう。
Rubén Carballo Rosa