交通状況に合わせて細かく「青や赤の時間」を調整! 「信号制御」システムは驚くほど進化していた
信号はどうやって切り替えてる?
信号の切り替わりについて、「切り替わる時間はいつも一定なのか?」など、改めて考えたことはないだろうか。場所によって違いはあるにしても、ある程度は一定周期で青・黄・赤を繰り返しているように思えるが、実際は違うことが多い。とくに交通量が時間や曜日などで刻々と変わる都市部では積極的に切り替わりを制御している。 【画像】一度は生で見てみたい日本のユニークな信号機 まずは交通量の増大に対する対処で、青の時間を長くしたり、インターバルを短くすることで詰まりを解消している。これは車両感知システムやカメラなどからの情報を用いて、交通管制センターで調整していて、別途詰まりが発生しやすい右折の矢印信号も制御している。通勤などで同じ道を通る人は気にしていると日によって違うことに気がつくかもしれない。 そのほか、バス停にセンサーを設置して、通過に合わせて信号を青にしてスムースな運行をアシストするというシステムなど、さまざまなところで信号というのは制御されている。 さらに、幹線道路の流れを制御することを目的に、以前から行われているのが法定速度で走ると青が連続してスムースに走れるというもの。これは「速度抑制オフセット制御」と呼ばれている。グラフにすると一定で走れば速度は直線になるのに対して、スピードを出してもすぐに引っかかるだけで、グラフとして線がずれて階段状(オフセット)になることからこの名称がある。 ただし、アナログなので昼間はほかの要因で流れが滞りがちでうまくいかないことも多かった。そのため、交通量が少ないうえに、速度が出やすい深夜に実施していることが多い。 さらに、最新のシステムが2016年から導入されている、これは光ビーコンを使ったシステムだ。光ビーコンはカーナビのVICSに使用されることがお馴染みのもの。全国に大量に設置されていて、交通状況をモニターしているので活用しやすい。この情報を使って、車両の通過と信号の切り替えを合わせている。 ただ、信号の切り替え制御による流れの円滑化は、当然のことながら一定方向を流すと、反対方向はうまくいかないことになる。混んでいる方向を優先して制御すればいいとはいえ、完璧ではないのは事実。最近では青になってもアイドリングストップのせいか、スマホをいじっているのか、すぐに発車しないのもタイミングがずれる要因となるので問題だ。
近藤暁史