仕事を辞め「奨学金の返還」が間に合いそうにありません。返還が遅れ続けた場合、具体的にどのようなことが起こるのでしょうか?
奨学金を借りていた人の中には、仕事を辞めて収入がなくなり毎月の返還が難しくなってしまったという人もいるでしょう。返還が何ヶ月も滞ってしまった場合に、どのようなことが起こるのか気になるものです。本記事では、奨学金の滞納でどのような問題が発生するかを解説し、返還が間に合わないときの救済措置を紹介します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
奨学金を滞納すると最終的に差し押さえが行われる
奨学金の返還が遅れ続けると、ほかの借入金やローンと同じように、最終的には財産の差し押さえまで発展する可能性があります。1ヶ月滞納すると、郵便や電話による通知と督促が行われます。 このタイミングでは、翌月に2ヶ月分の引き落とし手続きが行われるのみだといわれています。ただし2ヶ月連続で滞納すると、契約者だけではなく連帯保証人にも通知が送られ、督促が行われます。翌月には3ヶ月分の引き落とし手続きが取られ、延滞金が加算されます。 なお、3ヶ月以上滞納し続けると、ブラックリストとも呼ばれる信用情報機関への登録が行われるといわれています。また、滞納が9ヶ月を過ぎると、債権回収が民間業者に委託され、裁判所を通した支払い督促が行われるようです。最悪の場合には、奨学金の一括返還が求められ、対応できないと財産差し押さえの措置が取られる可能性があります。
奨学金の返還を滞納するとブラックリストに登録される
ここからは、ブラックリストに登録されることのデメリットについて解説します。 ■クレジットカードを作れなくなる ブラックリストに登録されると、新たなクレジットカードを作成しにくくなる可能性があります。クレジットカードを作成する際には、支払いが滞らない人物であるかどうかをチェックするために審査が行われます。その際ブラックリストに登録されていると信用が失われ、審査に通りにくくなる場合があるのです。 ■カーローンを組めなくなる ブラックリストに登録されている状態だと、カーローンの審査に影響をおよぼす可能性もあります。カーローンの契約では、金融機関が申込者の支払い能力をチェックするために信用情報を参考にします。 ブラックリストに登録されていると、信用力が低いとみなさ、審査に通りにくくなる可能性があるのです。ブラックリストに登録されている状態でカーローンを組みたい場合には、頭金を多めに用意したり、価格の低い車に変更したりするなどの対応が必要です。 ■保証人になれなくなる ブラックリストに登録されると、家族や友人がローン契約する際などに、保証人になれなくなるといわれています。保証人になる際は、契約者の代わりに支払いを行える経済力の有無をチェックされるため、金融機関からは高い信用が求められるようです。そのためブラックリストに登録されていると分かれば、保証人として認めてもらえなくなる可能性があります。