マリーゴールド旗揚げ戦 アクトレスガールズを育てた風香はどう見たか?
「レスリングができてないなと思っても、なかなかそこまで時間を割けられなかったりするんですよね。なので、マリーゴールドに来たらまずはその部分を強化しないと」 これまではパフォーマンス重視のトレーニングが優先された。風香が教えるようになってからは「よりいっそうプロレス寄り(の練習)」になっていたという。リング上でのパフォーマンスがプロレスをモチーフにしているだけになおさらだ。が、そこに風香はジレンマも感じていた。 「ほぼほぼ同じようなことをやっているのに、あの子たちはプロレスラーと言われなくて、プロレスで取り上げられない。ここからどうやって広げていけばいいんだろうとの不安はありました。なので、マリーゴールドに来た6人全員のモチベーションはすごく高いですよ。同じことをしてても、これからのほうがどんどん外に名前が出ていくと思います。つらい思いもしたけど、後悔している子はいないと思いますね。みんな、前だけを向いてます」 青野未来と松井珠紗は、プロレス活動停止によるアクト残留からプロレス復帰。13年7月にスターダムを退団した翔月なつみは21年11月にアクトで復帰し、これがプロレス再デビューの形になる。プロレス活動停止前にデビューしたCHIAKIは、カラーズ、アクトに続き旗揚げ戦がプロレス3戦目。22年2月にアクトデビューの天麗皇希と、同年8月にデビューの後藤智香は期待のプロレスデビューとなる。 「まずは小川さんにやられたなと思いましたね(笑)。青野の試合をアクトレスの一番最初に持ってきたんですよ。ここで青野すごいなって思わせる。(元アクト勢の)つかみはOKになりましたよね。初めて手を合わせた選手(石川奈青)ともあれだけできる。やっぱり彼女はプロレスラーなんだと思いました。そして最後に期待の皇希を持ってくる。試合順というシナリオがすごいなって。でも、皇希が舞台中ということもあって準備不足のところもありました。そこを除けば、そこまで何かが(他と比べて)劣っているようには見えなかったです。といってもレスリングという意味では技術不足でレパートリーが足りないなと。どの試合も同じことをしていたなと感じたので、そこが課題になりましたね」 6人全員がただ風香についてきたようにも見えた参戦希望の記者会見。しかし実際は、選手同士でのつながりはほとんどなかったという。
「私と青野も話したし、私と皇希も話したし、私と(翔月)なつみも話したけど、選手同士は誰もつながってなかったんですよ。だからみんなで来たんじゃなくて、小川さんに初めて会った日に、『え、アナタも(新団体に)行くの?』みたいな状態だったんです。なので、みんなと一緒だから安心して来たとかじゃなくて、それぞれが覚悟を持ってきたんですよね」 旗揚げ戦を終え、これからは元スターダム勢との試合も増えてくるだろう。そのための準備と練習がさらに必要だと風香は認識。アシスタントプロデューサーとしての手腕に期待したい。
取材・文/新井宏 写真/新井宏、森本雄大