「自分しかいない」認知症を患う父親との壮絶な介護生活。読者から多くの反響が寄せられた「親の介護」のリアルを描く【作者インタビュー】
母親の死後、突然父親を介護することになったクロミツさん(@kuromitsu1510)が、自らの経験を描いたコミックエッセイ「令和介護録」。脳腫瘍の影響で日常生活がままならず、認知症まで抱えた父との生活に次第に追い詰められる中、周囲の人々や医療・介護のプロたちの力を借りて「自分らしい介護」のあり方を模索していくクロミツさんの姿には、多くの反響が寄せられた。本作について、クロミツさん本人に話を聞いた。 【漫画】本編を読む ■「出ていけ!!」父親からの暴言に堪えるしかない…。生々しい介護体験を描いた本作は読者に何を伝えるのか。 本作のテーマでもある、いずれ来る「親の介護」という現実に目を向けたリアルな内容は、SNSを通じて広く公開されると、読者から多くの反響が寄せられた。 「病で倒れた父を世話できる人間が自分しかいなかった」と話すクロミツさん。実の父親からの暴言やワガママに堪えなくてはならない介護生活がいかに壮絶なものであったのか、それは漫画から容易に見てとれる。そして、その壮絶な介護生活が落ち着きを見せたころ、クロミツさんは実体験をもとにした本作を描き始めたのだ。「自分が体験したツラさを吐き出して悩みや苦しみを共有するだけでも、同じ境遇の人たちの心を多少なりとも“軽く”するんじゃないかな」とクロミツさんは想いを語る。 本作を描くまで、クロミツさんは共感を意識して漫画を描いたことはなかったという。実体験をもとにしたことで、読者に共感してもらえるような作品となり、予想を超えて多くの人へ届いたことについて、クロミツさんは「新鮮な経験だった」と喜びを振り返りながら話してくれた。 クロミツさんの実体験をもとにした衝撃の本作は、「介護」という現実的な問題において一種の心構えとなるのではないだろうか。 画像提供:クロミツ(@kuromitsu1510)