《国民民主「まさかの28人目の当選者」》司法試験2度失敗の氷河期世代で、本人は「日本一動く比例単独議員を目指す」と意気込む 党の事務方と候補者を両立して当選果たすまで
ハローワークで見つけた民主党秘書の募集
その甲斐あって初当選を手にした臼木氏だが、政治の世界に入ったのも、実に偶然の展開だったという。 「法科大学院を修了した後、司法試験に2度チャレンジしたけれどダメで、気づけば30歳目前。就職氷河期のいちばん最後の世代で、友人たちの苦労も知っていましたから“もうやばい”と仕事探しを本格化させました」 出会いは2011年のことだ。 「たまたまハローワークに国会議員の秘書の仕事の募集が出ていた。民主党政権への批判から、秘書のなり手が見つからなくなっていたようです」(臼木氏) こんな機会はめったにない、と考えた臼木氏はすぐに応募。「採用の電話をもらったのは2011年3月11日、東日本大震災が起きる日の午前中だった」(同前)という
党の政策を実行するため汗をかきたい
2011年に長野県選出の衆議院議員の地元事務所に就職したのをスタートに、2012年に政策担当秘書試験に合格すると、2022年3月までに野党系の国会議員の地元事務所や議員会館の秘書として通算11年勤務した。2022年7月の参院選では、現在の国民民主党の公募に応じて立候補するも落選。その後は裏方として、同党の事務局に転じた。 今回躍進を果たした国民民主党は、自民党と立憲民主党それぞれから秋波を送られるなど国会内で存在感が爆上がり中だが、臼木氏は気を引き締める。 「党の名前でお預かりした議席なので、きちんと党の政策を実行するため汗をかきたい。それに選んでいただいた北海道は、人口減少も深刻化していますし、鉄道の廃止が続くなど本州とは違う課題も多い地域です。地域の課題に寄り添うためにやらなければいけないことは山ほどある。同世代の友人からも励ましの連絡をもらいましたし、“日本一動く比例単独議員”を目指します」 就職氷河期世代の星となれるか。自民一強時代に終わりを告げた国会での新人議員たちの活動にも注目していきたい。 ◆取材・文/広野真嗣(ノンフィクション作家)
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