思考の固定化に悩む人に知ってほしい「劇的に視野を広げる」コツ ネガティブをポジティブに変える「リフレーミング」
ネガティブな思考がクセになっていると、物事の捉え方が悲観的になってしまいがち。部下や友人、パートナーが悲観的な考え方に陥っているときには、リフレーミングが役立つかもしれません。本稿では、新著『図解入門ビジネス マネジメントに役立つ1on1の基本と実践がよくわかる本』を上梓したグロービスの寺内健朗氏とワ☆ノベーションの代表の島田友和氏が、1on1を想定した会話例をもとに、リフレーミングについて解説します。 【図で理解】リフレーミングの効果と会話例
■認識のフレームが選択肢を狭める原因となる 「 認識の枠組み」で物事の捉え方が決まる ある日、上司から「急な話ですが、来月から海外転勤をお願いしたい」と言われたら、皆さんは何を感じますか? 「これはチャンスだ」と思う人もいれば、「面倒なことになった」と思う人もいるでしょう。 全く同じ状況に直面しても、人によって感じ方が違うのは物事の捉え方、すなわち認識の枠組みが異なるためです。認識の枠組みは、その人の育った環境や経験、価値観や文化の違いなどの様々な要因により、長い時間をかけて形作られるもので、人の性格を決める要素の一つにもなっています。
枠組み(フレーム)はその人の物事の捉え方を決めているため、時として考え方の幅を限定し、思いつく選択肢を狭めてしまいます。 「リフレーミング」で視点を変えて物事を捉え直す 物事の捉え方を決めている枠組みを抜け出し、これまでとは違う視点から物事を捉え直すことをリフレーミングといいます。例えば、水が半分入っているコップを見て、「半分しかない」とネガティブに捉えたとしても、見方を変えれば「まだ半分もある」とポジティブに捉えることもできます。
このように、「ない」から「ある」に認識を変えるのがリフレーミングのポイントです。リフレーミングによる質問は、メンバーの持つ認識の枠組みを揺さぶるため、これまで気づかなかった新たな視点や意味が見つかります。 これにより、固定化された思考パターンを抜け出したり、行き詰まった状態を突破する手助けができます。リフレーミングは、モチベーションや自己肯定感の向上にも繋がるため、1on1だけでなく子育てや学校教育の中でも注目されている技術です。