日産プレミアムセダン「フーガ」2代目に577.5万円のハイブリッドを追加【今日は何の日?10月26日】
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日は、日産自動車のプレミアムセダン「フーガ」2代目に「フーガハイブリッド」が追加された日だ。セドリック/グロリアの後を継いで登場したフーガだが、当時加熱したハイブリッドブームに対応する形で、2代目フーガにFR用ハイブリッドが設定されたのだ。 TEXT: 竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・フーガのすべて、新型フーガのすべて ■日産のフラッグシップであるフーガにハイブリッド追加 日産・フーガ ハイブリッドの詳しい記事を見る 2010年(平成22)年10月26日、日産自動車はフラッグシップセダン「フーガ」の2代目にハイブリッドモデルを追加することを発表(発売は11月2日)。ハイブリッドシステムは、エンジンと7速ATの間にモーターを挟み込んだ、1モーター/2クラッチのFR専用パラレルハイブリッドである。 セドリック/グロリアの後継として登場したY50型フーガ 初代フーガは、日本を代表する高級セダンとして長くトヨタ「クラウン」とライバル関係にあった「セドリック/グロリア」の後継車として2004年に誕生した。世界のプレミアムセダンに引けを取らない走行性能と、優美かつ躍動感のあるスタイルの両立が開発テーマだった。 低く構えたフロントマスクからロングノーズ、リアエンドと連続する伸びやかでボリューム感のある流麗なスタイリングを採用。パワートレインは、最高出力280psを発揮する3.5Lと、210psの2.5L V6 DOHCエンジンの2種と5速ATの組み合わせ。駆動方式は、V6エンジンを縦置きしたフロントミッドシップのFRであり、4WDも用意された。 2005年には、333psの4.5L V8 DOHCエンジンを搭載した日本車最高レベルの動力性能を持つ「450GT/450GTスポーツパッケージ」が追加され注目を集めた。初代フーガが誕生した2004年は、日産がV字回復に成功した時期であり、フーガもその勢いを加速する人気を獲得した。 性能と燃費をブラッシュアップしたY51型2代目 2009年にモデルチェンジした2代目フーガは、基本的にはキープコンセプトで初代のプレミアム感を継承した。 全長と全幅をわずかに拡大し全高を低くロングノーズ化することによって、初代にも増して躍動感あるスタイリングに変身。さらに、長いボンネットと短いオーバーハング、2900mmというロングホイールベースが、安定感のあるFRらしさをアピールした。 足回りは、高級感のある乗り心地を実現するため、フロントはダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク式を踏襲しながら、さらなる改良が加えられた。 パワートレインは、初代と同じ3.5Lと2.5Lの V6 DOHCの2種のエンジンと7速ATの組み合わせ。初代と同じ排気量ながら改良され、3.5Lは280→333ps、2.5Lは210→225pに大幅に向上させ、またトランスミッションを5速ATから7速ATへ変更することによって、性能と燃費は先代より大きく向上した。 FR専用パラレルハイブリッドのフーガハイブリッド登場 2010年には、3.5L V6エンジンと7速ATを組み合わせたフーガハイブリッドを追加。ハイブリッドシステムは、エンジンと7速ATの間にモーターを挟み込んだ、1モーター/2クラッチのFR専用のパラレルハイブリッドである。 エンジンとモーター間、AT後端間それぞれに電子制御クラッチを設け、運転状況に応じて2つのクラッチ断続することで、エンジンとモーターを効率よく切り替える“インテリジェント・デュアルクラッチ・コントロール”を採用。このシステムでは、静かで効率の良いモーター走行を高速走行まで拡大し、かつモーター走行を積極的に行うことで、クラストップの低燃費を達成した。ただし、このシステムは2つのクラッチ制御が複雑で、切り替え時のショックが目立つという評価も散発した。 日産リバイバルプランとともに登場した初代フーガは人気を獲得したものの、その後は日本のセダン市場の縮小とともに人気は急速に減速。2020年を迎える頃には1000台/年を切るレベルまで低迷し、新たな騒音規制にも対応できないことから遂に2022年に生産を終えてしまった。 ・・・・・・・・ フーガは、人気が低迷のためモデルチェンジできずにその幕を下ろした。2022年にセダンだけでなく、クーペやクロスオーバー、エステートと様々なボディスタイルを用意して話題となったトヨタ「クラウン」と対照的だが、何かにつけて全方位で対応しているトヨタと最近の日産との体力差が如実に表れている。 毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
竹村 純