「車を運転していたら、道が急に分からなくなった」61歳で軽度認知障害、でも希望はある 新薬レカネマブの適用対象、鍵となるのは早期の受診・診断
日本認知症本人ワーキンググループの藤田和子代表理事によると、求められるのは、これから認知症とともに暮らしていく本人や家族にとって希望となる情報の伝達だ。「支援団体や企業でも、共生社会の実現に向けた取り組みが始まっている。そうした情報は本人やその家族にとって希望となるので、受診などの際に、うまく伝わるようにしてほしい。医療者も、認知症とともにどう暮らしていきたいかを本人にきいて、いろんなところにつなげてほしい」 今回の新薬の承認は、認知症治療の分野で大きなインパクトをもたらしたが、恩恵を得られる人は限られる。症状が進行した人にも効果が出るかもしれない神経再生の研究も始まっているが、実用化までには時間がかかるとみられる。 2024年には、認知症の人が尊厳や希望を持って暮らせるようにする認知症基本法が施行される見通しだ。