乃木坂イチの個性派からカメレオン俳優へ…役者・伊藤万理華の唯一無二の魅力とは? 演技のスゴさを徹底解説
新たな代表作となったNHKドラマ『パーセント』
今年5~6月にはNHKドラマ『パーセント』で主演を務めた。若手プロデューサーと俳優を目指す車いすの高校生のドラマ作りを描いた本作で、ローカルテレビ局に勤務する新米ドラマプロデュ-サー・吉澤未来を演じた伊藤。 本作は「ギャラクシー賞」2024年5月度月間賞を受賞するなど、彼女の新たな代表作の一つとなった。 伊藤が演じた成長途上の未来に対し、SNSでは「自分を含め世の中に結構多いタイプな気がした」という共感の声や「(これまでの役と)全然雰囲気が違う」という驚きの声も。そして「無二の強さを感じた」「絶妙」「憑依がすごい」と伊藤に感嘆の声が上がっていた。
表現者・伊藤万理華の最大の魅力とは?
主演映画最新作となる『チャチャ』で伊藤が演じるのは、映画タイトルにもなっているイラストレーターのチャチャ。“人目を気にせず、好きなように生きる”をモットーに自由気ままな日々を送る野良猫系女子で、ふわふわとしたつかみどころのないチャチャのキャラクターが、伊藤のアーティスティックな魅力と相まって非常に魅力的に映っているので注目したい。 会社が入ったビルの屋上で偶然樂(中川大志)と出逢ったチャチャ。次第に樂に惹かれていく彼女に、予想だにしない展開が待ち受け…。チャチャの予測不能な行動も観る者をハラハラドキドキさせ、図らずも映画に没入させられるはず。 本作では主題歌「おはようの唄」も歌唱するなど、乃木坂46時代からのファンもうれしいところ。そして『美しい彼』シリーズや、映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』や『恋を知らない僕たちは』などを手掛けた酒井麻衣監督の色彩豊かな映画の世界観にも、マッチしている。 まっさらなキャンバスにさまざまな色で描かれる絵画のように、作品の“色”に彩られながら凛とした存在感を放つ伊藤万理華。 そんな彼女の演技に目を奪われてしまうのは、表現者としてどんな色にも染まることができる“純度の高さ”といえるのではないだろうか。映画『チャチャ』を通して、改めて伊藤万理華の魅力に浸ってほしい。 【著者プロフィール:小松加奈】 ライター/編集者。音楽・映画・ドラマ・アニメなどのエンタメ系を中心にインタビュー/レビュー/コラム記事などを手掛ける。フジロックは初年度から参加。プロ野球好き(横浜DeNAベイスターズ推し)。ジャンルを問わず、心を動かすもの/ことに夢中。
小松加奈