【単独インタビュー】池江璃花子選手、ロス五輪「集大成に」 青森で合宿
リオデジャネイロ、東京、パリの夏季五輪に連続出場した競泳の池江璃花子選手(24)=横浜ゴム=がこのほど、スイミングクラブ・ルネサンスの一員として新県総合運動公園(青森市宮田)で行われた合宿に参加した。26日までの東奥日報の単独取材に対し、4年後のロサンゼルス五輪が「自分の集大成」と語った。来年の目標には、世界選手権(シンガポール)に出場し、パリ五輪で決勝進出ならなかった100メートル種目で結果を出すことを掲げた。 拠点とする豪州での大会出場を終えての青森入り。30度以上の寒暖差に「寒いな」と、青森県の第一印象を笑顔で語った。 今年4月にオープンした「マエダアリーナ50メートルプール」を初めて泳ぎ、「めちゃくちゃ泳ぎやすい。レーンをたくさん貸し切らせていただいている。水深もしっかりあり、スタート台もちゃんとあり、プールサイドも広い。全国どこにでもあるわけではない環境」と高く評価した。 「現在の課題」に話題が移ると表情が締まった。「課題しかない。5年では戻せない部分もたくさんあった」 今年9月に完全寛解を公表したが、5年前に白血病を発症。「ベッドから一歩も動けずという生活を10カ月過ごし」「筋肉もなにもない状態で一からスタート」した経緯がある。 「『自分がいた世界』にどこまで追いつけるか、未知数だが、追いつきたい。その半面、無理なんじゃないか、でもできるところまでやりたいという、いろんな感情」と打ち明ける。ただ「病気を言い訳にせず自分の力だけを信じてやるしかない。そういう気持ち」と力を込めた。 青森市出身の相馬あい選手(27)とは同じ種目でしのぎを削る仲だ。「東京五輪の選考会あたりからお互いを意識する関係」になったという。ロス五輪から50メートル種目が採用される可能性があり「お互い、しっかり50メートル種目で活躍できる選手になれれば」と語る。 県内で水泳に打ち込む子どもたちへのメッセージも。「きつい練習を続けられるのは、やっぱり水泳が好きとか、楽しいとか、そう思っている子が多いと思う。その気持ちを忘れないで」と呼びかけた。 個人種目11、リレー種目6の計17種目の日本記録を保持する日本競泳界の顔であることに変わりはない。ロス五輪まで4年。「あっという間の4年だと思う。自分が強くなれる場所、環境、トレーニングを常に追い求めていきたい」と決意を語った。