小宮山監督は「昨年に続いて貴重な経験に」 全早稲田戦は現役大学生が雪辱
早大と稲門倶楽部のコメント
下記は早大と稲門倶楽部のコメントである。 早大・小宮山悟監督 「大学生にとっては社会人野球という厳しい環境下でプレーしている先輩の取り組みなどを吸収する場であり、昨年に続いて貴重な経験となりました。(対戦成績は)1勝1敗ですから、来年は決戦ですね。(佐竹投手については、自身が)アメリカから戻ってきた1年、佐竹の大学時代を見るタイミングがあり、投げている様が良かった。ロッテに戻ってからはボビー(バレンタイン監督)に『(ドラフトで)獲得してほしい』と真剣に進言したほどでした。残念ながら上背がないという理由で受け入れてくれませんでしたが、私は当時から実力を高く評価していました。企業秘密でしょうから細かいことは言えませんが、能力が高く、スペシャルワン。社会人で19年もプレーできたのは、努力の賜物。早稲田にとってシンボリックな存在でした。今後も社会人の顔として、さまざまな活動をしていくと思いますが、日本の野球界のために尽くしてもらいたいと思います」 早大・印出太一主将(4年・中京大中京高) 「昨年は大敗しており、今年はリーグ戦優勝、全日本大学選手権準優勝チームとしてみっともない試合ができない、と勝ちにこだわったゲームでした。序盤に流れを作れたのは良かったです。(佐竹投手から先制2ラン)レジェンドですし、打席に立たせていただいただけでも光栄なことでした。現役選手として、全力でぶつかっていくことが誠意だと思って、バットを振りました。その結果として本塁打を打てて良かったです。社会人選手からはファーストストライクから振ること、2ストライクからの粘りを学びました。できそうなことでも、簡単にできることではない。大学生との違いを感じました。全早稲田戦は先輩後輩の横と縦のつながりを深める貴重な場であり、卒業後、どこかでつながることがある。ありがたい取り組みです」 稲門倶楽部・八木茂監督(鷺宮製作所ヘッドコーチ) 「試合の結果としては負けましたけど、社会人チームは最後まで手を抜かず、一生懸命、全力疾走をしてくれた。必死にボールに食らいついてくれた。社会人野球は一本勝負。最後まであきらめない姿勢を、学生たちに伝えられたのかなと思います。(佐竹投手は)無理に投げてもらいました。入社から19年プレーできたのは常日頃からのトレーニング、自己管理を徹底してきたからだ、と思います。大学生は昨年と比較しても、一人ひとりの実力が上がった。選手層も厚くなったと思います。かなりの練習量を積んできたのが、背景としてあると思います」 稲門倶楽部・佐竹功年投手(トヨタ自働車) 「引退した身ですし、早稲田の後輩に対して、失礼と迷惑のないように投げました。(引退してから2週間)練習をまったくしていませんでしたが、これまでの積み重ねで投げられたのかな、と……。ストライクが入ったので良かったです。(印出主将の本塁打は)1球前のストレートの反応を見て、次は(チェンジアップで)落としたんですが、浮いてしまいました。コンタクトする力がある。印出主将に限らず、(全早稲田戦で)1年ぶりの対戦でしたが、1年の成長度合いがすごい、と感じました。リーグ優勝した自信もあるかと思いますが……。(試合後はセレモニーで花束、両チームから胴上げをされ)一選手に、ここまでしていただき、ありがたい気持ちでいっぱいです。改めて、野球を続けてきて良かった。自分は早稲田に育ててもらったと思っています。(今後は)サラリーマンなので、自分で決めることではない。仮に野球のお話をいただいたときには、全うできる準備だけはしておきたい。社会人として新しい立場になり、選手から離れ、さまざまな勉強をしていきたいと思います」 文=岡本朋祐
週刊ベースボール