SB1リーグが変える社会人バスケの沸点
B3リーグから実業団チームが撤退し、社会人バスケの最高峰となるSB1リーグ(Society Basketball 1部リーグ)が今シーズンからはじまった。男子8チーム、女子6チームが全国から名乗りを挙げ、切磋琢磨する。SB2リーグ(2部リーグ)はこれまでと同じく地域リーグとして各ブロックで活動し、上位チームは来年2月にSB1リーグ8位チームとの入替戦も用意されている。 参戦するチームや選手だけではなく、運営母体の日本社会人バスケットボール連盟(https://area.jsb-basketball.or.jp/)も積極的に改革に挑む。MCや音響を入れて華やかに会場を演出し、集客にも力を注ぐ。YouTubeにてライブ配信も行っている(https://www.youtube.com/@jsb7659)。装いを新たに、6月と7月の週末に全国各地で試合が行われており、男子は現時点で7勝1敗の横河電機WILDBLUEが首位に立ち、同じく1敗ながら試合数が少ない5勝のJR東日本秋田PECKERSと富士通が追いかける。7月20日・21日の2日間、秋田市立体育館で前半戦最終節を迎える。後半戦は10月19日より山形県・天童市スポーツセンターにて再開する。
JR東日本秋田PECKERS「プロを相手に1勝したい」
次戦は秋田開催であり、「自分たちのホームなので、たくさんの人に見てもらえるからこそ責任を持ってプレーしたいです。ファンを増やすという意味でも、おもしろいゲームをしたいと思っています」とJR東日本秋田PECKERS #99 山崎渉真は気合いを込める。今年3月に行われた高松宮記念杯 第6回 全日本社会人バスケットボール プレミアムチャンピオンシップで日本一に輝いた。SB1リーグとプレミアムチャンピオンシップの2冠を目指すとともに、「もうひとつプロを相手に1勝したい」と目標を掲げる。2年前の天皇杯では66-63で、B3リーグのしながわシティバスケットボールクラブを破っている。 「プロに行きたくても行けなかったり、行くチャンスはあったけど一歩引いて考えてこのチームを選んだりした選手がいます。ライバル視ではないですが、『負けないぞ』という気持ちがモチベーションになり、レベルアップできています。同じ練習会場には秋田ノーザンハピネッツもいるので、良い刺激をもらっています」 プロの秋田も満足する練習会場を所有するのはJR東日本秋田であり、「空調施設もトレーニング施設も充実したすごく良い環境です」と山崎は誇らしげに語る。仕事と両立する社会人バスケだが、天皇杯でプロチームから1勝をもぎ取るために妥協は許さない。強度の高いディフェンスがJR東日本秋田PECKERSの強さの秘訣だ。「今の日本代表の試合を見ていても、ディフェンスとリバウンドを細かくできたところが強いと思うので、忠実にそこを見習っています」と身長差で上回るプロチームを凌駕するために試行錯誤する。今年も秋田県代表として天皇杯出場をすでに決め、1次ラウンドを突破できれば、目標達成のチャンスがめぐってくる。 「社員に元気を与える、街を元気にする」というモットーのおかげで、企業スポーツへのサポートも手厚い。東京会場だったこの週末も「本社があるので、お偉いさんを含めて多くの方が応援に来てくれてうれしかったです」と山崎は感謝し、SB1リーグの集客にも一役買っていた。支えてくれる方々へ恩返しをするためにも勝ち続けることを求め、次戦のホームゲームで秋田を元気にする。