島津製作所、抗体糖鎖自動前処理装置を販売開始 住友ベークライトと協業
島津製作所は3日、抗体糖鎖分析の前処理を自動化して医薬品の開発迅速化を図る抗体糖鎖自動前処理装置「MUP‐3100」を販売開始した。糖鎖はタンパク質に含まれる生体高分子のひとつ。 同装置は住友ベークライトのMUP‐3100専用抗体糖鎖調整キットとともに販売される。価格は3850万円(税抜き)から。発売後1年で国内外10台が販売目標。製薬企業、医薬品製造受託企業(CMO)、医薬品開発製造受託企業(CDMO)での利用を見込む。 同装置は、抗体医薬品の研究開発や品質管理に不可欠な抗体糖鎖分析で手間のかかる前処理工程を自動化したもので、処理能力は1日24サンプルの場合、従来の約2日から6時間に短縮、1日最大48サンプルの処理が可能。 ロボットアーム、分注器、遠心機、温度調節器などで構成され、自動ですべての処理が行われるため人手は不要。得られた糖鎖は質量分析計で分析される。 従来は手作業に頼っていた工程を6軸ロボットで省人化・効率化することで連続作業を可能にした。この結果作業ミスの低減、作業者の安全確保と負担軽減にもつながるという。 住友ベークライトは以前から島津製作所のアジアでの実績を評価、今回の提携につながった。 島津製作所の小倉泰郎ライフサイエンス事業統括部長は「まずアジアでの様子をみて欧米でのチャンスを検討したい」と語り、MUP‐3100の販売範囲を拡大していく意思を示した。
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