小学校プログラミング教育必修化検討受け 大阪で教員対象のセミナー
教員らを対象にした定員20人のセミナー
いま小学校で「プログラミング教育必修化」がちょっとした話題になっている。技術の進化が飛躍的に進む中、コンピューターを制御する能力の育成が重要と判断されているからだが、教育の現場はどう変わるのだろうか。そんな中、このほど教員らを対象にした定員20人の珍しいセミナーが大阪市立総合生涯学習センター(大阪市北区)で開かれると聞き、話を聞いてみた。
プログラミング教育必修化を検討知り対策講座を企画
セミナーの内容は「プログラミング教育必修化!?対策講座 Scratch(スクラッチ)を体験してみよう!」というもの。主催者によると、「2020年度から小学校でプログラミング教育必修化を検討していることを知り、対策講座を企画しました。会場にはパソコンが24台しかないので、定員20人は2日で満席になりました。このような勉強会はおそらく、全国で初めてでしょう」という。 少し説明を加えると、今年5月19日、総理大臣官邸で第27回産業競争力会議が開催されたのだが、会議で「日本再興戦略2016」(素案)について議論が行われた。安部総理は、その議論を踏まえ、次のように述べたという。 「成長戦略第2ステージの鍵は、第4次産業革命の実現であります。(中略)スピード勝負で改革に取り組むため、司令塔として『第4次産業革命官民会議』を設置します」 そして3つの重点課題に取り組むとして、「第3に、第4次産業革命の時代を勝ち抜ける人材を育成します。初等中等教育でのプログラミング教育を必修化し、ITを活用した習熟度別学習を導入します。第4次産業革命を新たな成長のエンジンとして、『GDP600兆円』を実現するために、更に全力を尽くしてまいります」(官邸公式サイトより) 2020年度から小学校で実施するのを手始めに、21年度中学校、22年度は高校で順次必修化を目指すという。
教員「まず自分自身が知っておかないと」
こうした中での勉強会開催となり、講師はNPO法人ラーン・モア(特定非営利活動法人認証申請中)代表理事、田重田勝一郎さん、CoderDojo堺(子ども向けプログラミング道場)主宰。さらに一般社団法人みがく代表理事、ウェブレイス代表の建山和徳さんが務めた。ともにITの専門家だ。 「現在の小学校では、課外活動として、パソコン画面上のキャラクターを動かすといったプログラミング体験はありますが、授業で教科として教えていません。現場ですでに使われ始めているソフトは“Scratch”です。今回は学校の先生方向けのScratchセミナーとなりました」(建山氏) 参加した小学校の教師も、「プログラミング教育必修化って、どういうことやねんって思いました。まず自分自身が知っておかないと、教えられませんからね。すぐに参加を決めました」と話している。