7年ぶりの挑戦 第2部 大分/下 「日本一の守備」で躍動を /大分
<第91回選抜高校野球> 大分は守備に絶対の自信を持つ。「日本一の守備をすれば負けない」。昨秋の九州地区大会1回戦、準々決勝の失点は最少の1点。準決勝でも優勝した筑陽学園を相手に延長十一回まで1点で抑える堅守を見せたが、選手たちは、自分たちのレベルにまだまだ納得していない。 守りの中心は、小学校5年からバッテリーを組む長尾凌我投手(2年)と江川侑斗捕手(同)。長尾投手は制球力が高く、最速132キロの直球に変化球を交えて打者を翻弄(ほんろう)する。縦変化のスライダー、シュートに加え、今冬には横変化のスライダーとスプリットも習得。「サインにほとんど首をふったことがない」(長尾投手)ほど信頼を寄せる江川捕手とともに「相手打者をなやませて凡打に追い込む」と自信を見せる。 ただ、投手1人だけでは勝ち上がれない。急速に力を伸ばしているのが武藤俊介投手(同)だ。昨秋の県予選では、準々決勝の藤蔭戦で先発したものの3回5失点で降板。決勝の明豊戦でも先発したが、やはり2回3失点で降板した。「大分の投手は長尾だけじゃないと他チームに見せたい」。悔しさをバネに、猛練習に励んだ。1日200球を投げ込み、球威をつけるため筋トレを重ねた。130キロだった直球は140キロ近くまで速くなった。石丸斗和投手(同)も急成長中だ。県予選決勝の明豊戦で3回4失点。「俺のせいで負けた」とベンチで涙を流した。「もう同じ思いはしない」と投げ込みを続け球威や球速が上がっている。 投手陣をもり立てるのは内外野陣だ。特に内野は中高一貫校の強みを生かし、中学1年からともにプレーを続け、連携はバッチリ。要である遊撃手の小野修太郎選手(同)は「センバツで二塁と三塁の間は1本も抜かせない」と闘志を燃やす。どんなボールでも対応できるよう、今冬から独自に強く跳ねるテニスボールを使っての守備練習を繰り返している。 守備でリズムを作れば、打線にも勢いが出る。大分の選手たちが躍動する大舞台は、もうすぐだ。=第2部おわり