家族4人でカナダ移住「こんなに大変だとは…」日本人の多くが苦戦する壁とは?
● 「移住したい」という気持ちだけで カレッジを卒業するのは難しい ヨシアキさんを含め40人ほどの日本人が、センテニアルカレッジに通う。ただ、カレッジ全体で約5万人の学生がいるため、日本人は少数派だ。 この学校は、機械工学や幼児教育、料理など幅広い分野を学べるのが特徴だ。授業とは別に、英語が苦手な外国人をサポートするため、英語を無料で学べるサービスもある。卒業後の就職を後押しするため、就職先の紹介や、履歴書の書き方の指導なども受けることができる。 ただ、それでも単位が思うように取れず、卒業が遅れるうちに経済的に厳しくなるなど、帰国を余儀なくされるケースもあるという。同校のスタッフ、山根耕治さん(44歳)は、こうアドバイスを送る。 「ただ、移住したいという気持ちだけでは卒業するのは厳しいです。どのような仕事で生きていくかを見据え、カレッジで勉強する目的を考えたうえで入学するように勧めています」 事前の情報収集も大切だと指摘する。日本に比べて給与水準の高いことから、海外移住への注目も高まっている。だが、日本以上に物価は高騰しており、生計を立てるのは簡単ではない。トロントでは、特に住宅価格の高騰が進んでおり、住む家を見つけるのに苦労する日本人も少なくないという。 「短期で生活するだけなら稼げるかもしれないが、移住するとなると話は別です。物価高もありますし、住みにくさを感じることもあるはずです」
● カナダの永住権発行には 高い言語能力が必須! 移民大国カナダでは近年、年間40万人に永住権が発行されている。だが、永住権の発行には審査があり、取得に苦労する日本人も少なくないようだ。 永住権の代理申請などを請け負うQLSeeker社によると、2015年からはじまった移民の申請手続きでは、カナダ移住の希望者は、年齢、職歴、学歴、言語能力、雇用主からのジョブオファーなどを記入してエントリーする。こうした情報をもとに、点数がつけられ、高得点の希望者が永住権を取れる仕組みだ。 多くの日本人が苦戦するのは、言語能力だ。ほかの項目と合わせて総合的に判断されるものの、かなり高いレベルが求められており、日常会話が問題なくできる人でも苦労するケースがあるようだ。同社の移民コンサルタントの上原敏靖氏によると、英語検定試験IELTSのジェネラル・トレーニング・モジュールで、ライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4分野において、各分野で最高スコア9.0に対し7.0以上(リスニングは8.0以上)を目指すように勧めているという。