ローソン新規出店、2割を過疎地に…撤退したスーパーの跡地など活用「想定を上回る収益結果」
ローソンは2030年をめどに、年間新規出店数の約2割を山間部などの過疎地とする方針だ。国内のコンビニ店舗数が飽和状態となる中、人口減でスーパーが撤退する過疎地に出店余地があるとにらむ。
竹増貞信社長は読売新聞の取材に「超高齢化先進国の日本が抱える問題にチャレンジしていく」と述べ、過疎地での出店拡大に意欲を示した。
ローソンの新規出店数は現在、年300店程度だ。コンビニはこれまで、都市部や幹線道路沿いといった多くの集客が見込める立地が出店場所の基本となってきた。
ただ、国内のコンビニ店舗数が5万5000店を超え、出店に適した立地は限られている。ローソンは都市部への出店と並行して今後、過疎地で撤退したスーパーの跡地などへの出店を強化する。
24年には和歌山県田辺市の山間部にあるスーパー跡地に出店した。周辺は最寄りのスーパーまで車で30分以上かかる地域で、日常の買い物に利用してもらえるよう冷凍食品や野菜の品ぞろえを充実させた。
店舗内に広めのイートインコーナーも設けるなど、地域住民の交流の場としての利用も狙っている。採算面についても「想定を上回る収益結果が出ており、過疎地への出店という戦略に光明が見えている」(幹部)という。
人口が減少している地域での出店加速に向けて、今後は働き手の確保が課題となる。ローソンはAI(人工知能)やデジタル技術の活用を通じ、コスト削減を図っていくことで、出店可能な地域を増やしていきたい考えだ。