「そこが決壊しちゃうのは…」失点の責任背負うJ1アビスパ福岡の奈良竜樹主将「僕はそういう立場だし、ポジション」
◆明治安田J1・第3節 福岡1―1湘南(9日・ベスト電器スタジアム) 福岡の奈良主将が失点の責任を背負った。「本当に申し訳ないという思いがあります」。先制して迎えた前半13分、右サイドのライン際で湘南の杉岡にスルーパスを通されると、パスを受けた鈴木章への対応で奈良がサイドライン際まで上がったが、かわされてエリア内でクロスを上げられ、失点につながった。 ■「肩が壊れてもいいや」城後のロングスロー【写真】 「早い時間に点を取れた。1―0で推移できていればしっかり守って、そこからカウンターという自分たちの展開になった。早い時間に追いつかれたことに関しては、すごく責任を感じます」 奈良を中心に置いた3バックで中央の守備を固める福岡に対し、湘南は開幕2戦で採用した4バックを変更。前節までサイドバックだった杉岡と鈴木雄をウイングバックにし、攻撃の人数も厚くした。 サイドを起点にされ、最後は自陣エリア内に多くの相手に侵入を許しての失点に、長谷部監督は「狙っていた形だったと思います。ある程度、把握はしていましたが、相手の上手なプレーを止めることができなかった」と悔やんだ。 ボランチの前は「奈良ちゃんが(サイドに)釣り出された形になりましたけど、本来はそこまでいかない対応をしたい。奈良ちゃんが中央にいるような守備をチームとしてできないといけない。(エリア内で)人数をかけられると、失点になりうる場面の回数が多くなってしまう」とチームとしての対応を反省した。 それでも奈良は「最後は自分がいるから、安心して思い切って(守備に)いってほしいという思いがある中で、そこが決壊しちゃうのは、他の選手には不安を与えてしまうし、迷いを与えてしまう。だからこそ、自分のところで絶対止めなきゃいけない。僕はやっぱり責任を負わなきゃいけない立場だし、そういうポジション。一つのミスで失点し、その失点で勝ちを取れないと悔しい」と言い訳をしなかった。 次節は16日。再びホームでFC東京と戦う。「ホームで開幕から2試合、引き分けが続くのはサポーターの皆さんもフラストレーションがたまるだろうし、自分たちも早く、サポーターの皆さんと喜びを分かち合いたい」というキャプテン。「くよくよしていても仕方ない。次に同じ場面だったら絶対にやらせない」と前を向いた。(向吉三郎)
西日本新聞社