12年に1度申年だけに祭りを祝うー佐賀仁比山神社、神水見守る石の猿
国内旅行でも人気の高い九州地方。中でも福岡、長崎は観光客が多く訪れるエリアだ。その両県に挟まれた佐賀県だが、かつて“文明ロード”と言われた長崎街道に沿って多くの宿場を有し、古くは弥生時代からの遺跡も残っている。日本の国の成り立ちをうかがわせるそんな歴史のあるまち、佐賀の神埼を訪ねた。
九年庵の隣にある仁比山(にいやま)神社。山の神、農業の神を祭神とするこの神社で行われる大御田(おおおんだ)祭は12年毎の申年のみ。地域住民によって伝承されている県重要無形民俗文化財である御田舞(おんだまい)の奉納が行われる。 本殿裏には神水と呼ばれる清水が湧き出ており、拝飲すれば内臓弱き人は回復に向かい、石のお猿さんに水をかければ願いが叶うと伝えられている。訪れたこの時にも、遠方からこの水を汲みに来る人を何人か見かけた。 (2017年3月撮影)