人気恋愛ドラマの名手ユ・ボラが社会問題をエンタメに描くということ
女性の権利が比較的充実していると言われるアイスランドで、 女性たちが権利を得るためのデモが24時間行われたというニュースを見ました。韓国でも過去に、女性たちが参政権を得るために社会運動をしていました。当時は「過激だ」とやや批判するような声もありましたが、選挙権という当然の権利を得るための重要な活動でした。多分、今起こっている活動をずっと先の未来で見たら、それは当然のことをしているだけだと受け入れられるでしょう。現代の韓国の女性たちの行動は、何か特別なものというよりも時代の流れでそうなってきているに過ぎません。
――「忘れ去られた女性活動家たち」の話を書きたいそうですが、どのようにしてその女性たちを知ったのですか?
ボラ:歴史学者たちがまとめた韓国の運動家を紹介する歴史書で知りました。1980年代に出版されたそういった本の中で主に紹介されているのは男性の独立運動家で、女性活動家はページの端に活動期間が紹介されているだけでした。しかし、90年代に入ると女性活動家に関する書籍が出版されるようになりました。女性活動家たちの存在が社会的に取り上げられることはほとんどなかったため、物語にしようと思いました。
――その中で、特に印象に残っている女性はいますか?
ボラ:誰か1人だけの名前を上げるのは難しいですが、特に感銘を受けたのは韓国が日本の植民地だった20~30年代、二重差別など抑圧された状況下でも果敢に行動した女性たちです。私には到底できない生き方をしている勇敢な女性が大勢いて、活動の中で特に感動したことの1つは、教育を受けられなかった女性たちに言葉を教え、教育したことです。
――映画「雪道」では、教育を受けた少女が学校へ行くことができなかった別の少女に本を読み聞かせるシーンが出てきましたね。
ボラ:「雪道」では女性被害者の姿を描きましたが、次は何も分からなかった少女が、女性活動家たちに会い、さまざまなことを学びながら成長していく物語を書きたいです。年代は「雪道」と同じ頃になるかもしれませんが形式を大幅に変えたものを構想中です。