伝統技術と文化を守る宮大工 厳島神社で働く棟梁が高校で講演「1人でも多くの人が興味を持ってほしい」
広島ニュースTSS
伝統の技術と文化を後世に伝える「宮大工」の仕事を知ってもらおうと、世界文化遺産の厳島神社で働く「棟梁」が、廿日市市の高校で講演を行いました。 およそ900年前に創建され今なお、その歴史と文化を伝える「厳島神社」。 その修理などを手掛けているのが「宮大工」の三舩慎悟さんです。 8日、廿日市市の宮島工業高校に講師として招かれました。 三舩さんはおよそ20年にわたって厳島神社に所属する宮大工の棟梁として働き、現在は、社殿の回廊の修復に携わっています。 講演会では国内の「宮大工」が年々減少していることに強い危機感を示したうえで、「1人でも多くの人が興味を持ってほしい」と呼びかけました。 【厳島神社 宮大工の棟梁・三舩慎悟さん(52)】 「やっぱり伝統なので、そこが廃れると文化もなくなる大きなこと。後継を作ることが第一の使命だと思ってこれからも(講演を)続けていきたい」 【講演を聞いた生徒は(設計会社に就職予定)】 「人手が足りなくなっていると聞いたので、私は職人にはならないが、設計で職人を支えていきたい」 <スタジオ>【記者の目】 取材した胡子記者によりますと、いわゆる「大工」の数は2020年で、およそ30万人ほどと、この40年間でおよそ3分の1に減少しています。 強い危機感を感じた三舩さんは、2年ほど前から宮大工の魅力を伝えようとSNSで動画を発信しています。 反響は大きく、国内だけでなく海外からも実技体験の申し込みがあるということです。中には、来年、宮大工として就職する予定の学生もいて、三舩さんは、活動が実を結びつつあると喜んでいたということです。
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