ビジネスがタブー視、教育業界に挑む26歳の学園長・無花果CEO
ビジネスがタブー視される教育業界
■ビジネスがタブー視される教育業界でチャレンジする理由 山田:今でこそ生徒もたくさんいらっしゃいますが、初めは難しかったですよね。 中藤:最初は0人からスタートしました。生徒が来る前から、いい物件が見つかったからやろうと始めたんです。 一般的なフリースクールの始め方は、週1回場所を借りるところからスタートし、だんだん週1回、2回と増やしてみて、本当に自分たちでやっていけるなと思えば場所を借りると言うイメージです。 今考えてみるとよくやったな、と思います。ただ、リスクを追っていけばこれだけのスピード感でできるということをある意味見せられたとも思っています。 目の前の子どもたちは今この瞬間も困ってるので、ちゃんと物件を構えたからこそ、より早くいろんな方々にフリースクールの存在を知ってもらえて、来てもらえたと思っています。 藤田:そもそもそんなに儲からない、大企業も入らないような領域をなぜやっているのでしょうか? 中藤:僕自身も、学校に行く意味を感じられなくて不登校になった過去がありました。 その時の地元の塾の社長さんがすごくいい方で、僕がいたら塾の雰囲気も良くなるから無料でいいから塾に通い続けていいよって言ってくださったんです。その方が居てくれたからこそ、僕は岡山大学に進学できたと思いますし、そういう感謝の気持ちもありました。 その後、大学入学後には不登校ママの会に参加し、ボランティアをやっていました。そういった活動をしていると、「今フリースクールが岡山にできたら嬉しい」「やっぱり不登校だったら幸せになれないのかな」という保護者の声を聞くようになったんです。 ただ無責任に「不登校でも大丈夫」と言うのではなく、僕自身がそんな場所を作りたいと思って実現したフリースクールです。 でも最近はこういう自分の話をあまり語らないようにしています。というのも、自分の過去を認めていくために、昔の体験を癒すためにフリースクールをやりたいと思ってる方が多い感覚があります。それに対しては違和感があるので。 ■よい教育のため 現場作りとは違うアプローチへの挑戦 山田:今後やっていきたいことはありますか? 中藤:「無花果COLLEGE」という教員養成課程を0から作っていくところをやっていきたいです。 フリースクールと通信制高等学園を運営する中で、みんなに受けてもらいたいと思えるような教育を現場レベルで体現していく、探求し続けることができていると思っています。 次のステップとしては、よい教育に携わる大人、本当によい先生が巣立っていくことに力を入れていきたいと考えています。 山田:もう生徒というよりも、教育をする側を見ているんですね。 中藤:もちろん100%できてるという感覚ではないです。 よい教育を目指していますが、そのよさは学校側だけで決められるものではありません。子どもたち自身もよいと思っていて、保護者も僕たちもよいと思う教育を一緒につくり続けていきたいです。 こちらから押し付けた教育をしてるわけではなく、子どもたちの欲求や感情を大事にしながら教育を作っていこう、保護者と子どもたちと一緒にやっていくことを大切にしているので、そういった意味でいい学園が出来上がってきていると感じます。