「熊本マンガアーツ」、熊本市に20日オープン オクロック歌劇団の専用劇場や「北斗の拳」原画など展示ギャラリー
漫画出版社コアミックス(東京都)は20日、高森町を拠点に活動する女性劇団「オクロック熊本歌劇団」の専用劇場と漫画関連作品を展示するアートギャラリーなどを備えた「熊本マンガアーツ」を、熊本市中央区の大劇会館地下1階にオープンする。18日はプレオープンを兼ねた内覧会があった。 熊本の文化・芸能
当初は昨年9月に同ビル7階で専用劇場を開く予定だったが、消防検査でスプリンクラーの仕様変更などを勧められたため必要設備などを再検討。地下1階に移し、1年以上遅れてのオープンとなった。 約700平方メートルのフロアに、ステージや客席(座席149と車いす席2)を有する新たな劇場を整備。県内では初となる透過性が高いスクリーンの「フュージョンウォール」を設け、映像と演技が一体になった演出を可能にしたという。 アートギャラリー(79平方メートル)では、週刊少年ジャンプで連載された「北斗の拳」や「シティーハンター」、「キャッツ・アイ」といった人気作や、コアミックスのウェブサイトで配信中の「ガチ恋粘着獣」など10作品の原画40点を展示。複製原画やアクリルスタンド、キーホルダーなどやオクロック熊本歌劇団の関連グッズが並ぶショップも併設する。 この日は、関係者向けにオクロック熊本歌劇団が新作「前田慶次かぶき旅~戦国の花・細川ガラシャ~編」を披露。熊本コアミックスの持田修一社長は「熊本の皆さんに愛され、この劇場をお目当てに県外から熊本に来てくれるような拠点へと成長させたい」と意気込みを語った。20日は午後7時からこけら落とし公演を開く。(東有咲)
◆〝マンガ県くまもと〟の特徴的な試みに コアミックス堀江信彦社長・一問一答 「熊本マンガアーツ」(熊本市中央区)を20日にオープンする漫画出版社コアミックス(東京都)の堀江信彦社長に、施設の目的や意気込みなどを聞いた。(東有咲) -いよいよ「熊本マンガアーツ」が始まります。 「コアミックスとしても劇場併設型のギャラリーは初めて。〝マンガ県くまもと〟としても非常に特徴的な試みになると思う。予定より1年以上遅れてしまったが、その分を取り返せるように頑張りたい」 -このような施設を作ったのはなぜですか。 「最近は漫画がアート的に評価され始めている。漫画のアート的な側面をもっと表現していきたいという思いはもちろん、漫画を題材にした芝居を通して、役者志望者のチャンスを増やしたいとの思いもある」 -立地の理由、目指す施設の形を教えてください。 「熊本のど真ん中で、公共交通機関も発達しているし近くにはホテルも多い。熊本に住んでいる人も観光客もインバウンド(訪日客)も、みんなが気軽に訪れやすい場所。訪れた人に、漫画にまつわる楽しい思い出を持って帰ってほしい。ゆくゆくはその思い出が、熊本の知名度を上げることにつながってくれたらうれしい」