上山音アナウンサー 福岡１０区は、北九州市門司区や小倉北区、小倉南区が選挙区です。北九州市は、ご覧のように６５歳以上の高齢者の割合が、２０２３年４月時点で３１・６パーセント。全国に２０ある政令市の中で最も高くなっています。 山崎香奈アナウンサー 高齢化対策が急がれていますよね。 上山アナ 月額６万円以下の低い水準の年金で生活する高齢者の実態は、国も把握できておらず、生活に困っている高齢者は増加傾向と言われています。中でも大きな負担になっているのが「物価高」です。高齢者対策について各候補者の訴えを取材しました。 北九州市内で行われている老人会。こちらで７０代から８０代の方に暮らしぶりを聞いてみました。 ７６歳女性 「食費がすごいです。お米が今まで（５キロ）２０００円以内だったのが、今３７００円に上がっている。同じものが新米だから、もう食費が１番上がってますね」 夫婦２人暮らしというこちらの女性は、国民年金が２人で月に１１万５０００円。毎月赤字だということです。 「もうとにかく物価と、もういろんなものとか、ちょっとね、下がってくればいいんですけどね」 こちらの女性は一人暮らしで収入は、月に５万円の年金のみ。娘が居住費や光熱費を払ってくれていますが、生活は苦しいといいます。 ８３歳の女性 「国民年金もうちょっと欲しいけどもね、もうあと１万円でもいい。言えばね。うん、５万じゃちょっとね、何もできない」 厚生労働省が２０２３年に発表した調査によりますと、６５歳以上の高齢者世帯の５９パーセントが「生活が苦しい」と回答しました。２０２２年の調査に比べ１１ポイント増えていて、生活が苦しい高齢者が増加していることが分かります。立憲民主党は、低所得の高齢者の年金に一定額を上乗せして給付する制度を設けることを公約に掲げています。立憲・前職の城井氏は、これまでの国会活動の成果を強調します。 立憲・前　城井崇氏 「政府基金の見直しで７兆４０００億円はひねり出せるということをこの間の国会の仕事で明らかにしてきたので、税金の無駄遣いの見直しを徹底してということで、高齢の人々の人生後半の社会保障を支える準備は万端です」 自民党は基礎年金の受給額の底上げを図るなど、将来にわたる安心をさらに強化すると公約に掲げます。自民・新人の吉村氏は、具体的な政策実施を訴えます。 自民・新　吉村悠氏 「物価高対策、またエネルギー対策、国から対策金が出ているところであると思いますので、そのところはしっかりと　国の場で議論をしていくことによって対策金、捻出が可能なのかどうかも、私もそこは最前線に立って議論させていただきたい」 無所属の大石氏は、困窮世帯には、一時金を支給して生活を安定させる一方、働ける高齢者には社会参加を増やして、社会全体で支え合いたいと訴えています。 無所属・新　大石仁人氏 「とにかく高齢者の方っていうのはやっぱり知識、経験豊富ですので、働きたい方はいくらでも働いて支える側に回ってもらうとか、そういった（現在の）社会のシステムっていうのは少しこう見直していくべきかなと」 共産党は年金支給額を物価高騰に見合った水準に引き上げることを公約にしています。共産党新人の一ノ瀬氏も、年金支給額のアップのほか、さらに最低賃金を上げると訴えます。 共産・新　一ノ瀬小夜子氏 「年金暮らしの人っていうのは、年金には反映しませんものね、物価の高騰は。だから、それを年金に反映させる、そのことも大切だと思うし、それから働いている人は、１時間１５００円、これが最低賃金で全国一律、そのことをやっていってもらいたい」 日本維新の会は年金制度を抜本改革して、積立方式または最低所得保障制度の導入など、制度の見直しを進めるとして、新人の福本氏は年金支給よりも定額給付によって高齢者の生活を安定させるとしています。 維新・新　福本尭氏 「年金の支給が、年齢を７０とかに遅らせることもできるっていう選択はあるんですけれども、やはり定額給付制度ですね、ベーシックインカムみたいなものを導入して、誰もが安心できる社会にですね、なっていったら、していければいいかなと思っています」 高齢化の問題が待ったなしの北九州市。国の今後の行方を誰に託すのか。投票日は１０月２７日です。