【オーストラリア】〔政治スポットライト〕豪NZ両首相、トランプ氏と早期関係構築へ
先に行われた米国大統領選でトランプ氏が勝利したことを受け、オーストラリアのアルバニージー首相が早速トランプ氏と電話会談を行った。再選について祝福したほか、同盟の意義や安全保障について協議したという。トランプ陣営との早急な関係構築を図っているもよう。またニュージーランド(NZ)のラクソン首相は、「特に貿易、経済、インド太平洋地域の安全保障を通じて共通の利益のために協力していく」とした。 トランプ氏は「アメリカ・ファースト」政策を掲げ、型破りな一方で実利を優先するなど、多方面で不確実性が高まっている。 一方、アルバニージー首相は、豪米関係は引き続き発展すると強調。「オーストラリア政府は強力な経済パートナーシップの恩恵を実現するため、トランプ新政権と緊密に連携していく」とした。 ただ、アルバニージー首相は2017年、トランプ大統領(当時)について「不安だ。指導者がツイッター上の140文字を使い一夜のうちに政治を行えると思っているのは懸念するべきこと」など軽蔑的な発言をしていたことが再び注目を集めている。 同様にトランプ氏に否定的だったラッド駐米大使も続投させる方針で、影響が不安視されている。ラッド駐米大使はここへきて、ソーシャルメディアからトランプ氏に対する過去の否定的な投稿を削除した。 ■オーカスは心配なし 専門家は、トランプ政権下で影響力を争うグループの1つ、「安全保障強硬派」が豪米英の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を支持するとみている。また、オーストラリアのモリソン前首相も「トランプ氏はオーカスを支持している」と述べており、撤廃の可能性は低いとの見方が強い。 一方、オーストラリア国内で、「トランプ政権下で軍事同盟に参加するのは危険で、費用も増す」として同盟の再考を求める声が上がっている。 ■NZ首相も祝福 NZのラクソン首相はトランプ氏の勝利を祝福し、「米国はわれわれの最も重要なパートナー国の1つで、第2の輸出先だ。われわれが共有する長期的な利益を促進するために、トランプ政権とのパートナーシップをさらに強化したい」とした。