上司「このグラフ、意味不明なのだが?」→統計が読めない人にありがちなミス。経済評論家が伝授する〈超キホンのビジネス統計〉
季節性のあるデータは「季節調整値」を見るとよい
季節性のあるデータを扱うときは、季節調整値を見るとよいでしょう。「2月は普段の月よりチョコレートが3倍売れるので、2月の売上高を3で割ってグラフに描き込む」といったイメージです。経済統計が発表されると、同時に季節調整値も発表される場合が多いので、そちらを見るようにしたいものです。 自社のチョコレートやテレビの売り上げ等に関しては、自分で季節調整値を計算する必要があります。プロが使っている計算式は複雑なものですが、素人がパソコンで簡単に計算できる簡略法をご紹介しますので、試してみてはいかがでしょうか。 季節調整値の計算例 (1)過去10年分のチョコレートの売り上げデータ(120個)を用意し、120個のデータの平均を計算する。 (2)次に、2月のデータだけ(10個)を取り出して、平均を計算する。 (3)2月の平均を全体の平均で割った値が3なら、2月は普段の3倍売れることがわかるので、2月のデータを3で割った値が、今年2月の季節調整値となる。 季節調整値は前月と比較が可能なので、前月比何%増えたか、といった数字で語られることが多いのですが、筆者はグラフ化することをお勧めしています。 先月が絶好調だったので、今月も好調だったが前月比がマイナスだった、といったことが起きても、グラフを見れば「最近好調だね。先月は出来過ぎだったとしても、今月の水準でも十分いいね」といったことに気付けるかもしれないからです。 今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。 筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「THE GOLD ONLINE」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。 塚崎 公義 経済評論家
塚崎 公義