「生理中は太らない? むくみや体重増加の原因は?」女性の体の悩みに産婦人科医師が回答
女性の体ならではの、ちょっとした悩みや疑問。病院に行くほどではないけど、専門家の意見を知りたい! そんな気持ちに応え、女性の体にちなんだ悩みについて産婦人科医師が一問一答していく。今回は、生理中の太りやすさについてASK! 【写真】むくみ対策になる16種類の食べもの ▼お話を伺ったのは……産婦人科医・上野啓子先生 東京医科大学産科婦人科学教室病院助教。医学博士、産婦人科医の指導医、生殖医療専門医、女性ヘルスケア専門医などを取得し、不妊治療や女性医学を得意とする。
Q、生理中は太らないって本当ですか?むくみや体重増加の原因は?
A、 医学的には生理の終わり頃から排卵期までが太りにくく、排卵後から生理までが溜め込みやすいフェーズと考えられています。 ホルモンが関係しています。 まず、エストロゲンは主に卵巣から分泌されるホルモンで、生理終わりから排卵期に向けて分泌量が増加します。女性の体の発達、生殖器官の発育や維持などの重要な役割を果たす他に、筋肉量を維持しようとする働きがあり、これが増える時期には代謝量が増えて脂肪が減り、食欲も抑えられるといった影響があります。よって、生理終わり頃は太りにくいと言われています。 プロゲステロンが増加すると、栄養や水分を多く溜め込もうとする作用が働いて、体重増加やむくみが起きます。 排卵後から生理に向けては、プロゲステロンという黄体ホルモンが多く分泌されます。 このホルモンは、体を妊娠しやすいように備え、妊娠を維持しようとするホルモンで、基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を安定させ、乳腺を発達させます。そして、赤ちゃんのために水分や血液を多くを蓄えようとする働きも。 水や栄養を溜め込みやすくなることによってむくみや食欲増進が起こり、生理前は太りやすくなるのです。 このように、女性の体は大きく分けて2つのフェーズがあると捉えられます。 排卵後から生理までの期間は大体の人が2週間と安定していますが、生理の終わり頃から排卵までの期間は個人差が大きいです。そのため“太りにくい時期”の感じ方は、人によってそれぞれ変わってくるかと思います。