中国が宮古海峡で封鎖演習、台湾有事を想定か…沖縄・尖閣周辺に「重武装」海警船団も初確認
中国は同月中旬、台湾周辺に艦艇や海警船計約90隻を派遣して台湾の海上封鎖を想定した活動を行っており、関係者は尖閣に出没した4隻について、「連携して行動していた可能性が排除できない」とみている。
読売新聞が尖閣を管轄する第11管区海上保安本部(那覇市)の公表する昨年1月以降のデータなどを調べたところ、同5月以前は機関砲などで武装する海警船は船団で1隻だけだったが、同6月以降は全4隻が機関砲や、より口径が大きい76ミリ砲で武装するようになった。中国が「独立工作者」として敵視する台湾の頼清徳(ライチンドォー)氏が同5月に総統に就任したのを機に、中国側は尖閣を含む台湾周辺海域で圧力を高めたとみられる。
海上保安庁の巡視船が装備する機関砲は最大で40ミリで、射程約5キロ・メートルだ。海警船の76ミリ砲は約3倍の射程があり、中国側は海保を上回る火力を備えた船を送り込み、威嚇を強めている。
海警船は21年施行の「海警法」により、国家主権が侵害された際に武器の使用が可能になった。海警は、中央軍事委員会の命令で防衛作戦の任務を執行するとも明記され、「第2の海軍」と称される。今後も重武装化させた海警船の運用を常態化させ、軍と一体運用を強化し、台湾や日本への圧力を強める可能性がある。
◆76ミリ砲=世界の海軍が採用している砲で、海上自衛隊の護衛艦にも搭載されている。中国メディアによると、ジャンカイ2級フリゲートも主砲として採用している。最大射程は約10~15キロ・メートルで、1分間に60~120発が発射可能。尖閣諸島沖では2022年11月、76ミリ砲を搭載した海警船の領海侵入が初めて確認された。