年収580万円、今の職場で「再雇用」の話が出ていますが、やはり給与は低くなるのでしょうか? よそで「再就職」を目指したほうが良いですか?
老後も働くため、現在の職場での再雇用や新たな職場での再就職を検討している人も多いのではないでしょうか。再雇用されるにしても再就職するにしても、気になることといえば給与がどうなるのかということでしょう。 そこで本記事では、再雇用の場合と再就職の場合では、どちらの方がより多くの給与をもらえる可能性が高いのか、詳しく解説します。
「再雇用」「再就職」とは?
再雇用とは、定年後、それまで働いていた企業を一度退職して再び雇用されることです。一方、再就職とは、定年後に就職活動をして別の会社に雇用されることを指します。 再雇用と再就職には、それぞれメリットとデメリットがあります。再雇用のメリットは、定年後も環境を変えずに働けるということです。ただし、環境を変えないといっても、これまで通りのポジションや給与が保証されているわけではありません。多くの場合、再雇用されるとそれまでのポジションを失い、給与も下がることになります。 一方、再就職のメリットは、やりたい仕事ができる可能性があるということです。とはいうものの、それは当然のことながら、やりたい仕事ができる企業に就職できた場合です。そのためには就職活動をしなければなりませんし、再就職後はまったく新しい環境で人間関係の構築を含めてイチからスタートしなければなりません。
再雇用だと給与はどの程度下がる?
それでは、再雇用や再就職をすると給与はどのようになるのでしょうか。 厚生労働書が令和4年に発表した賃金構造基本統計調査の概況によると、60代前半の大企業における平均賃金は月31万1400円、中企業における平均賃金は月29万3600円、小企業における平均賃金は月28万5400円です。年収に換算すると、大企業だと373万6800円、中企業だと352万3200円、小企業だと342万4800円です。 これは賞与を含んでいない数値ですが、現役時代の年収が580万円であれば、再雇用、再就職どちらにしても給与額は減ってしまう可能性が高いことが分かります。 また、60代後半の場合、大企業の平均賃金は月27万5000円、中企業の平均賃金は月25万3900円、小企業の平均賃金は月25万4300円です。60代後半になると、大企業と中小企業の間の賃金格差はほとんどなくなることが分かります。