「神代神楽」ともに学ぼう 24日、二戸で講演会
二戸市の呑香(とんこう)稲荷神社の伝統芸能で、市無形民俗文化財に指定されている「神代神楽」の価値を地域に発信しようと、調査成果をまとめた国学院大客員教授の橋本裕之氏による文化財講演会(市教委主催)が24日、市シビックセンターで開かれる。入場無料。 橋本氏は元市文化財調査員、元岩手県文化財保護審議会委員で、2011~21年に神代神楽について調査。その成果をまとめた報告書(税込み千円)が23年3月、市教委から発行され、二戸、浄法寺の両歴史民俗資料館で販売されている。 報告書などによると、神代神楽は江戸後期の1832年、盛岡から神楽師を招いて教えを受けたのが始まりとされる。県内で一般的な山伏神楽と趣が異なり、日本神話の神々を演舞させる内容を持つのが珍しく、古事記の天地創造を表現した舞もある。 二戸出身の世界的物理学者で、貴族議員だった田中舘愛橘も神代神楽を高く評価。1925年、保存費を帝国議会に請願、採択された。後に議会が解散し、結果的に補助金は得られなかったが、当時から価値の高さを認められていたことがうかがえる。 市教委文化財課の野辺地哲史主任は「調査成果を通じて地域の神楽の文化的な価値や珍しさを、広く知ってほしい」と呼びかける。 24日は午後1時半開演。申し込み不要で、定員は80人。23日午前11時からは、同神社で神代神楽の実演もある。問い合わせは文化財課=電話0195(23)8020=へ。
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