衆院選、支持拡大へ後半戦 政治の信頼回復など争点に【宇部】
小選挙区の「10増10減」に伴う新区割りで初めて実施されている第50回衆院選は、選挙戦を折り返し、後半戦に突入した。山口1区(宇部、山口、防府の3市)には4人、3区(山陽小野田、下関など5市1町)には3人が立候補。政治の信頼回復の取り組み、物価高騰対策などが争点とされる中、各候補は連日、選挙カーを走らせ、自身の考え方を有権者に伝えながら、票の上積みと支持拡大を図っている。
【1区の4陣営】
1区には、届け出順に立憲民主新人の坂本史子さん(69)、自民前職の高村正大さん(53)、国民民主新人の野田陽志さん(48)、共産新人の三藤美智子さん(67)の4人が立候補している。 坂本さんは、前半戦は主に山口市、防府市を遊説。政権交代を期待する党のコアな支持層などから応援を受けた。後半戦は宇部市を中心に回る。「古い政治を打破し、クリーンな政治を実現させることを訴える」と意気込みを語った。 初めて宇部での選挙を行う高村さんは、市内で小まめに演説会を開いたり、朝のつじ立ちも積極的に行ったりして、知名度アップに注力。23~25日に山口、防府、宇部の順で決起集会を開催する。陣営は「これまで通り有権者への訴えを続ける」とした。 野田さんは街頭での声掛けと演説を徹底。「右よし、左よし、のだきよし」のフレーズも反響を呼んだ。動画を使ったネットでの活動にも注力。大内一也選対本部長は「まずは候補に興味を持ってもらい、政策を知ってもらえれば」と話す。 前半戦は3市を満遍なく巡った三藤候補は「投票につながらないかもしれないが、若者の反応が良く、主張への共感も感じられる」と手応え。河合喜代選対責任者は「浸透しきれていない層へ最後まで訴え続ける」と述べた。
【3区の3陣営】
3区は、届け出順に日本維新の会新人の伊藤博文さん(55)、自民前職の林芳正さん(63)、共産新人の吹上政子さん(69)の3人。 伊藤さんは、前半戦は選挙区内にくまなく選挙カーを走らせた。土・日曜は集客施設を意識して回り「教育無償化の訴えが子育て世代に届いた。クリーンな政治実現の声にも手を振って応えてもらった」と語る。後半戦もきめ細かく回る。 林さんは本人不在の選挙戦だが、裕子夫人が選挙カーで各地を巡り、街頭演説を行っている。和田和夫下関事務所長は「有権者の反応は良い。後半戦は下関市が中心となっていくが、これまで通りの活動を行っていく」と話した。 吹上さんは、前半戦で選挙区を2巡。後半戦は下関市を中心に回る。元教員ということもあり、街頭演説では子どもと保護者からの応援が多い。片山房一選対責任者は「皆さんの暮らしを支える重要性を訴え、手応えを感じている」と語った。