【解説】「政策集団」として生き残れる? “透明性”どう担保? 政治刷新本部「中間とりまとめ案」中身は…
■「人事とカネ」の機能を撤廃…本当に実現すれば“リーダー選び”変わる?
藤井キャスター 「そして忘れてはならないのが金の流れの透明性をどう担保するか、ということです。いわゆる『氷代』『もち代』という、派閥が所属議員にお金を配ることの廃止、そして派閥の政治資金パーティーの全面禁止。派閥の事務所を閉鎖することなどを盛り込むということなんですよね」
小栗解説委員長 「皆さん、これは当たり前のことでしょ、と思うかもしれませんが、政治を長く取材してきた身からすると、もし本当にこれが実現すれば、自民党のリーダー選びが変わってくるかもしれないという可能性を秘めていると思います」
小栗解説委員長 「というのも、派閥というのは“この人を総理総裁にしたい”という人物、リーダーのもとに集まってくるグループのことです。もちろんそのリーダーがどんな国家観を掲げているかということは大切なのですが、もしそのグループにいることで得られるお金があり、そのお金を使えば選挙が楽に戦える…というようなことがあれば、それは派閥の求心力にもなるし、もっと言えば、そのリーダーの求心力にも繋がってきたわけです」
小栗解説委員長 「でも『氷代』『もち代』が廃止され、拠点となる事務所がなくなるということになれば、派閥ごとにリーダーを担ぐメリットというのも薄まり、リーダー選びのあり方も変わるかもしれません。ただ、もちろん個人の政治資金パーティーなどは続くでしょうから、そのお金がどう使われるのか、そのあたりのチェックというのはこれからも引き続き注意が必要です」
■政局は新たな波乱要因を…
藤井キャスター 「リーダー選び、という話がありましたが、今のリーダーである岸田総理は今回、岸田派の解散を麻生副総裁や茂木幹事長に相談なく発表したということですが、関係性は大丈夫でしょうか?」 小栗解説委員長 「相談なくというのは、岸田総理もかなり思い切った行動に出ましたよね。あれは岸田政権への逆風を一気に転換するためのある種の賭け、“岸田政権を守るための賭け”だったと思います」 「どういうことかというと、岸田総理はいま麻生派、茂木派、そして自らの足下の岸田派、この3つの派閥のいわば神輿にのる形で政権を運営しているわけです。岸田総理が先陣を切って『派閥を解消する』と言えば、当然、他の派閥もその検討を迫られます。実際に麻生さん、茂木さんは怒っているわけですよね。そうなれば、この政権基盤というのが崩れるかもしれないです」