食品添加物の目的・役割は?保存料、着色料、香料…多くの食品に含まれる。健康への影響は?
多くの加工食品には「~料」や「~剤」と名の付く食品添加物が使用されています。これらは食品の腐敗や劣化を防いだり、風味を補ったりする働きがあり、食品の品質維持のために必要なものといえます。しかし、食品添加物には化学的に合成して作られたものも多いことから、健康への影響を懸念する声もよく聞かれます。食品添加物の種類や安全性について解説します。 【写真】食品添加物の例 * * * * * * * ◆食品添加物はなぜ使用される? 食品の製造過程で加えられる物質を食品添加物といい、化学的に合成されたものと天然由来のものの2種類に分かれます。 食品添加物を使用する目的は、主に食品の品質維持、風味の強化、色彩の調整です。 よく使われる食品添加物には、保存料、着色料、香料、酸味料、甘味料などがあり、どのような食品添加物が使用されているかは、商品パッケージの「原材料名」の部分で確認することができます。 ・保存料…食品の腐敗を引き起こす細菌の繁殖を防ぎます。 ・着色料…色味を良くするために使用されます。 ・香料…香りのない食品に香りをつけたり、香りの少ない食品に香りを補ったりするために使用されます。 ・酸味料…酸味の調整や味の調和のために使用されます。 ・甘味料…食品に甘味を付与します。
◆安全性は? 食品添加物については、まず食品安全委員会の安全性評価によって、人が一生毎日食べ続けても健康への悪影響がないとされる一日摂取許容量が設定されます。この結果を受けて厚生労働省が審議を行い、食品ごとの使用量や使用基準を定めています。 安全性評価は、物質の分析や実験動物を用いた毒性試験によって行われています。動物実験では、食品添加物を投与した際のさまざまな毒性を調べられます。 (安全性を確認するために行われる試験の例) ・体内動態試験…動物に投与し、体内での吸収、分布、代謝、排泄を調べる ・発がん性試験…動物にほぼ一生涯にわたって与え、発がん性の発生・促進を調べる ・遺伝毒性試験…遺伝子や染色体への影響を調べる しかし、単体では安全性が認められていても、複数種類の食品添加物を同時摂取した場合に相互作用が絶対に発生しないとは言い切れず、健康への影響については未知数といえます。