【欧州市況】仏独債のスプレッド拡大、仏政治危機で-ユーロも下落
(ブルームバーグ): 2日の欧州金融市場では、フランスの国債および株式が新たな売り圧力にさらされた。極右政党の国民連合(RN)のルペン氏が不信任動議を支持すると表明したことが材料視された。
バルニエ仏首相が予算案の一部を採決なしで議会を通過させるため、憲法上の手段を行使すると宣言。これに対し左派政党がまもなく内閣不信任動議を提出すると発表し、ルペン氏も支持に回った。
10年物のフランス債とドイツ債のスプレッドは8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大して89bpと、2012年以来の大幅な開きに迫った。フランスの主要株価指数であるCAC40指数は一時1.2%安まで売り込まれたが、その後は戻してほぼ変わらずで取引を終えた。この日はユーロも下落。一時は対ドルで1%超下落した。
一方のドイツ債は安全逃避の買いが入り、10年債利回りは8日連続で低下。フランス債以外のユーロ圏国債は総じて上昇した。
短期金融市場では欧州中央銀行(ECB)による来週の利下げは28bpと織り込まれており、0.5ポイント利下げの観測は後退している。ただ、来年の利下げ見通しは加速しており、2025年末までに162bpの利下げが想定されている。
この日の英国債は小幅高。パフォーマンスはドイツ債には及ばなかった。
欧州主要株価指数のストックス欧州600指数は0.7%高。ECB当局者によるハト派的な発言から利下げ期待が高まった。カザークス・ラトビア中銀総裁によれば、ECBは来週、再び金利を引き下げる可能性が高く、通常よりも大幅な利下げについても議論する見込みだ。
12月2日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
原題:French Assets Under Pressure as Le Pen Backs No-Confidence Vote
French Yield Premium Surges Most Since June: End-of-Day Curves