トリオで勝利したスターライト・キッド(左)、岩谷麻優(中)、向後桃だが…

　女子プロレス「スターダム」の〝迷える黒虎〟スターライト・キッドを巡る攻防に新たな動きがあった。 【写真】AZMから挑発されるS・キッド 　8日名古屋大会の3WAYトリオバトルでキッドは、「STARS」の岩谷麻優、向後桃と合体。「コズミック・エンジェルズ」の中野たむ＆なつぽい＆水森由菜、AZM＆星来芽依＆梨杏と激突した。 　試合は9人が入り乱れる大混戦となり、岩谷とその場跳びムーンサルトの競演で沸かせたキッドは、直後に「チーム両思い」のなつぽいとも連係を試みる。さらに日本プロレスリング連盟設立第2弾大会「ALL　TOGETHER（AT）」（15日、北海道・北海きたえーる）で一騎打ちするAZMとは激しい攻防を展開し、それぞれの思惑が入り交じった展開となった。最後はキッドと好連係を見せた岩谷が、フロッグスプラッシュで梨杏を沈めた。 　ハイライトは試合後のマイク合戦だ。4月に「大江戸隊」を追放されたキッドに対し、古巣・STARSへの復帰を呼びかけてきた岩谷が「キッドはもう、どうするか決めたの？」と問いかけると、何かを言おうとしたキッドからマイクを奪ったのが中野だ。 　キッドとの合体を熱望し、そのためには自らマスクウーマンになる覚悟を示している中野は、2019年にキッドとゴッデス王座に挑戦した際に使用したマスクを掲げ「キッちゃん、たむは準備できてるよ」と呼びかける。すると、今度はなつぽいが横やりを入れ「うちら、両思いだもんね？」とキッドにアピールする始末だ。 　ここで中野が「じゃあ、なっちゃん（なつぽい）は覚悟あるの？　マスクかぶる覚悟が？」と問いただすと、なつぽいは「マスクマンとしてやっていくということ？　それは覚悟ないかな…。でも、ぽいにはマスクマンのお友達がいる。その子だったら連れて来れるかも」。中野、なつぽい、キッドが組む16日大阪大会に覆面戦士を投入することを予告した。 　これだけでは終わらなかった。AZMまでマイクを握ると「おい、キッド。マスクかぶる、かぶらない、ずいぶん楽しそうだけど、その前にATでシングルマッチがあるだろ？　そんな楽しそうでいいのかな。キッドが覚悟うんぬんでマスク脱ぐ、脱がないとか言って、私のいないところでマスク脱ぐとか許さないからな。しっかりATでお前を潰してやるよ」。さらに星来も続き「キッドさんとシングルやりたいです」と22日代々木大会での一騎打ちを要求した。 　肝心の黒虎は「私、モテ期到来？」とニヤリ。私生活を重ね合わせたのかは定かではないが、自らの優柔不断さがこの混乱劇を招いているにもかかわらず、相変わらずマイペースだ。しかも「今日はまだ答えを出さないけど、私の決断を楽しみにしてくださ～い」と、この日も新たな所属ユニットやマスク問題の結論を先送りにした。 　終わりの見えない騒動に嫌気がさしたのか、岩谷はバックステージで「自分は（キッドが）好きにしたらっていう感じですけど。今のSTARSにとってはいらないし、キッドで思うままの道を進めばいいと思います。STARSは今のメンバーで十分やっていけるので」と争奪戦からの撤退を表明。いずれにせよ、〝黒虎問題〟はまだまだ着地点が見えない。