山寺宏一、坂本真綾ら、『ビートルジュース ビートルジュース』で史上初の“全身吹き替え”挑戦
9月27日に全国公開されるティム・バートン監督作『ビートルジュース ビートルジュース』の日本語吹替版上映が決定し、“全身吹替版声優”と“全身吹替版予告”が公開された。 【写真】『ビートルジュース ビートルジュース』ティザービジュアル 本作は、1988年に公開されたバートン監督作『ビートルジュース』の35年後を描くホラーコメディ。 ビートルジュースを演じるのは、前作から引き続きマイケル・キートン。さらに、キャサリン・オハラがリディアの母親・デリアを演じ、当時16歳だったウィノナ・ライダーが娘を持つ母親になったリディアを演じる。リディアの1人娘・アストリッドを演じるのは、バートン監督が製作総指揮・監督を務めたNetflixシリーズ『ウェンズデー』のジェナ・オルテガ。また、ビートルジュースの元妻・ドロレスを、バートン作品初出演のモニカ・ベルッチ、リディアの婚約者・ローリーをジャスティン・セロー、ドロレスとともにビートルジュースを追うウルフをウィレム・デフォーがそれぞれ演じる。 姿形まで完全にキャラクターに変身する、史上初の“全身吹き替え”に挑んだのは、山寺宏一、坂本真綾、沢城みゆき、伊瀬茉莉也、小林千晃、森川智之、山路和弘、戸田恵子の8名。 山寺が死後の世界の人間怖がらせ屋で人間と結婚したいビートルジュース役を演じるほか、霊能力を持ち36年前にビートルジュースに結婚を迫られた過去があり、死後の世界に捕らわれた娘のために、再びビートルジュースを呼び出そうとするリディア役を坂本、ビートルジュースの元妻で夫への復讐に燃える恐ろしい性格のドロレス役を沢城、幽霊や死後の世界を信じていないリディアの娘・アストリッド役を伊瀬がそれぞれ担当する。 そのほか、“アストリッドに出会い、人生が一変し、ハロウィンの夜に大騒動を起こしてしまう近所に住むミステリアスな青年・ジェレミー役に小林、オカルト番組『ゴーストハウス』のプロデューサー兼リディアのマネージャー・ローリー役に森川、死ぬ前は映画俳優、現在は死後の世界の安全を守っており、なぜかビートルジュースを追っているウルフ役に山路、リディアの母で、奇抜なものが大好きなアーティストで、少々ぶっとんでいるが、家族を大事にしているデリア役に戸田が名を連ねた。 全身吹き替えのためにかけられた総支度時間はなんと25時間。公開された全身吹き替えキャストが捉えられたビジュアルの左上では、真っ白な顔面に苔を生やし、緑の髪、シマシマスーツを着こなした山寺の姿が。山寺は、事前に石膏で顔の型取りに4時間、当日の特殊メイクには4時間半という超大がかりな準備のもとで全身吹き替えに挑み、お調子者のビートルジュースを演じた。山寺の右隣には、リディアの独特なヘアスタイルでマイクに向かう坂本の姿が。その右には、同じひまわり柄の生地が市販でなかったため同模様をゼロから起こして作られたワンピースを着こなし、そばかすメイクを施した伊瀬の姿が確認できる。 中段左に位置するのは、赤髪のウィッグをさらにヘアカラーとカットで加工するこだわりで作り上げられた戸田。中段右にはトレードマークでもある前髪とメガネを封印し、貴重なオールバック姿を披露している森川の姿も。はめている指輪が独特な形のため3Dプリンターを駆使して作られたものになっている。下段左には、側頭部が削げ落ちた「脳みそ丸出し男」の特殊メイクを施した山路の姿が。山路も事前に石膏で型取りを行い、特殊造形により作られた脳みそを4時間かけて頭につけて挑んだという。その右には、ジェレミーのヘアスタイルのふくらみ具合、カールのボリュームなど並々ならぬこだわりのもと再現された小林が配置されている。 そして下段右には、バラバラになった体をホッチキスで繋ぎ合わせている沢城“ドロレス”みゆきが。全身吹き替えに際し、指の先からつま先までの細部にわたる全身採寸で沢城のためだけに作られた世界でただ一つの黒いウェディングドレスを纏い、額、頬、鎖骨まで這わせられたホッチキスがキラリと光るドロレスに見事に変身した。なお、本編は公開前のため、解禁されている予告編と場面写真だけをたよりに、生地から制作した衣裳もあり、オリジナルと寸分違わぬ衣裳、ヘアスタイルが作られた。また、いくつかのアイテムはキートンやオハラが実際に撮影で使用したものと同じアイテムを海外から取り寄せられた。 映画『ビートルジュース ビートルジュース』日本語吹替版予告 あわせて公開された全身吹替版予告では、ビートルジュースをはじめ一癖も二癖もあるキャラクターたちが続々登場。山寺が声を枯らしながらアフレコに臨んだという演技も垣間見ることができるほか、ビートルジュースに翻弄される坂本、森川、沢城、伊瀬、山路らの声も確認することができる。 また、IMAX、Dolby Cinemaに加えて、4DX MX4D、ScreenX でのラージフォーマット上映も決定した。 山寺、坂本、沢城、伊瀬、小林、森川、山路、戸田からはコメントも到着している。 コメント 山寺宏一(ビートルジュース役) 全身吹替と聞いたときに「どういうこと? 大変だろうな」と思ったのですが、本当に大変でした! 通常のアフレコの何十倍もの時間、人手、手間がかかっています。支度時間が4時間というスケジュールは初めてでしたし、事前の石膏の型取りはもっと時間がかかっています。元々、自分ではない誰かになりたいという思いもあり声優をやっている部分もあるので、いい思い出になりましたし、とても細かいところまでこだわって作っていただけて嬉しいです。 ビートルジュース演じるマイケル・キートンさんが声を作り込んで演じられているので、私もかなり作り込み、声を枯らして頑張りました。洋画吹替のお仕事はアニメ声優とまた違う醍醐味があるので、ぜひ注目してください。ここまでやったので、お願いだからバズってくれ! 坂本真綾(リディア役) ハロウィンが今まで以上に身近な行事になってきたところだったので、こういった扮装をするのも「今なら楽しめるかな」と思い、全身吹替をやらせていただきました。本当に一生に一度の経験です。一見怖そうに見えますが、優しい部分もある繊細なリディアを表現できたらと思っています。 『ビートルジュース』は小学生の時に初めて観て、レンタルビデオで何回借りたかわからない大好きな作品です。ウィノナ・ライダーさんは本当に大好きな俳優さんなので、まさかこうして年月を経て、自分が関われるとは思わなくて本当にビックリしましたし、嬉しかったです。 沢城みゆき(ドロレス役) 最初は所謂コスプレするような感じなのかなと全身吹替版について捉えていたのですが、ハリウッドと同じクオリティでキャラクターを再現したい旨を聞き、喜んで参加させていただきました。メイク中は、ペタペタしたりソフトタッチもあればゴニョゴニョしたものが伸ばされている感じや美術室の匂いがしてきたりと、とても五感が忙しい4時間で、仕上がるのが楽しみでした。こんなに近寄って自分のことを見て欲しいと思うのは初めてです。一つ一つメイクで傷が増えていくと、どんどんドロレスに気持ちが寄って行くような気がしました。 伊瀬茉莉也(アストリッド役) 初めは、全身吹替とは何だろう? とまったくイメージが掴めていなかったです。 衣装もヘアメイクもそのままアストリッドに変身して、そばかすもメイクで入れているのがポイントです。姿形からキャラクターに挑むのは声優人生初のことだったのでとても楽しかったです。 ティム・バートン監督の世界観がここぞとばかりに詰め込まれたハロウィンの夜にふさわしいホラーコメディ映画なので、ワクワクしながらアフレコさせていただきました。 小林千晃(ジェレミー役) 全身吹替の方々が錚々たる面々でしたので、そこに僕が参加させていただけるなんて本当に夢のようで光栄な気持ちでいっぱいです。ここまでキャラクターになりきるのはなかなか無いことなので、役が憑依したような、これまでにない感覚でお芝居できた素晴らしい経験でした。 ジェレミーはこの作品のキーになるキャラクターだと思っていて、僕自身「どうなっちゃうの!?」とワクワクしながら演じました。ティム・バートン監督にしか出せないダークな雰囲気と、それ以上に賑やかで楽しい魅力が溢れた作品です。 森川智之(ローリー役) ティム・バートン監督並みのぶっとんだ発想の全身吹替企画だと思っています。それに乗っかって楽しく撮影させていただきましたし、私のトレードマークでもある前髪とメガネを取っ払ってしまったという意味でも面白かったです。ティム・バートン監督作品だからこそ実施できた企画だと思いますし、彼にしか表現できない唯一無二の世界に参加できたことが光栄です。とても賑やかで楽しい映画になっていて、全身吹替版の声優陣もとても豪華な作品なので、ぜひ字幕版・吹替版の両方を楽しんでいただければと思います。 山路和弘(ウルフ役) とんでもない現場に来させていただきました。全身吹替の特殊メイクにあたり、事前に型取りもして、当日は4時間かけて支度をするなど、アフレコをしている時間が一番短かった気がします。こんな経験はもちろん初めてでしたが、ここまでやるのか!? という驚きと楽しみがありました。 頭からお尻までティム・バートンワールド全開な物語です。ウィレム・デフォーが演じるウルフを、私も楽しくアフレコをさせていただきました。ウルフのラストシーンにはぜひご注目ください。 戸田恵子(デリア役) 全身吹替と聞いて、それくらい気合いを入れたいということなんだと解釈して挑みました。舞台でもウィッグを被ることはよくあるので、私自身は違和感なく演じることができました。アニメでは役に寄せた衣装やヘアメイクをすることもあると思うのですが、洋画でここまでやるのは初めてのことです。ティム・バートンの世界観が全面に出ているので、とても楽しい作品になっています。私が演じたデリアは、感情がころころ変わる役柄で、叫んだと思ったらフッと戻ったりしたりと、非常にやりがいもあり、面白く演じさせていただきました。
リアルサウンド編集部