【阪神】「30代になったらしんどい」海外FA権最短32歳で取得の右腕が来オフ以降のメジャー挑戦直訴
阪神・才木浩人投手(26)が20日、来オフ以降のメジャー挑戦を直訴した。兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改し、7000万円アップの1億2000万円でサイン。世界一の投手を目指す右腕は「僕から伝えただけで(詳細な)話はしていない」と前置きした上で「30代になったらしんどいから、28、29歳くらいで(メジャーに)行けたらベスト」と明かした。数年前から抱く夢を初めて球団側に伝えた。 海外FA権は最短で32歳となる2030年に取得見込み。20代で海を渡るとなれば球団の容認が必須となるポスティングシステムを利用することになる。球団で同制度を用いてメジャー移籍した選手は井川慶、藤浪晋太郎の2人。今オフは青柳が申請している。 今季の才木は13勝3敗、防御率1・83で自身初の2ケタ勝利&規定投球回を達成。11月には自身初の日本代表に選出されプレミア12に出場し「もっとこういう場で投げたい」と視野も広がった。同大会も含めシーズン中から視察を重ねていたナ・リーグ強豪チームのあるスカウトは「メジャーで十分通用すると思う。真っ直ぐの力があるし、決め球(フォーク)もあるので奪三振能力も高い。メジャーのどの球団も才木がインプットされているだろう」と高く評価している。 高卒9年目の来季へ「1番にこだわりたい。タイトルを全部取りにいく。全部狙いにいく」と力説した右腕。今季は勝利数が2位タイ、防御率、奪三振数はいずれも3位で無冠。「勝負の世界なので、1番以外に価値はない」と実感した。夏場の不調を反省し睡眠や食事の見直しに着手。波のないシーズンを掲げる。「チームが優勝できるように。そのチームの中心として活躍できるように」。まずは目の前の勝負に集中し、未来を切り開く。(直川 響) 〇…才木の来オフ以降のメジャー直訴について、粟井球団社長は慎重に言葉を選んだ。「夢を持つことは大事」と気持ちを尊重しつつ、「いつも言っているようにポスティングは基本的に認めないけれど、ケースバイケースです。海外FAは権利、ポスティングはお互いが理解し合って初めて成立するもの。時間をかけて話していこうということ」と説明。才木は20年オフに右肘のトミー・ジョン手術を受けて離脱するなど、海外FA権取得は最短でも30年シーズンとなるだけに、今後の動向が注目される。 ◆阪神のポスティング移籍 ポスティングシステムの利用は過去3人。06年オフに井川慶が球団で初めて同システムにより、メジャー挑戦。入札額は2600万194ドル(当時レートで約30億円)でヤンキースに入団した。22年オフには藤浪がアスレチックスと単年で年俸325万ドル(同約4億2000万円)の契約を結び、譲渡金65万ドル(同約8400万円)。今オフは青柳が申請を受理され、各球団と交渉中。
報知新聞社