福島第1原発事故で出た除染土壌の再生利用 環境省がポイント案まとめる
環境省は東京電力福島第1原発事故に伴う除染で出た土壌を再生利用する際のガイドラインのポイント案をまとめた。ガイドラインには放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8千ベクレル以下の除染土壌を使用し、作業員に特別な防護措置は不要と明記する。放射性セシウムは土壌中の粘土などと固着し溶け出しにくいため、地下水の汚染を防ぐ特別な措置も不要とする。15日に開いた、再生利用方策を検討する作業部会で示した。 再生利用する土壌の放射性セシウム濃度(1キログラム当たり8千ベクレル以下)は、周辺住民らの追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト未満とする放射線防護の考え方を踏まえ、並行して策定している再生利用基準案に沿っている。 飛散・流出防止対策としては、厚さ20~30センチ程度の土砂で除染土壌を覆った上で、農地など用途に応じて必要な層を設ける。覆土全体の厚さは合計1メートル以上になるとの想定も記す。除染土壌を再生利用している場所と認識できる表示を1カ所以上設け、除染実施者や連絡先などを表記するとしている。
再生利用には①調査・計画②設計③施工④維持管理の四つの段階があるとし、早い段階から地域の関係者や関係機関などとのコミュニケーションが重要だと書き込む。環境省など除染実施者の責任も盛り込む。 環境省は今年度中にガイドラインをまとめる予定。