「中長期的な戦力」企業が高卒採用に熱視線 背景に労働人口の減少も課題は高い離職率
「超売り手市場」とも呼ばれる高校生の就職活動。 その一方で、大学生とは違う独自のルールもあります。 高卒求人サイト「ジンジブ」HRコンサルティング事業部 野村翔平 部長 「高校生は1人1社ずつしか面接を受けることができないとか、企業と高校生が直接接点を持つことが禁止されていたりとか、こういうルールが根付いているので、なかなか(就職先が)限定されてしまうところに課題を持たれていますね。」 ■高校生に熱い視線を送る物流業界 全国の物流業の高卒求人数は、2015年には1万4千件余りでしたが2024年には3万2千件余りと、この10年で倍増しています。 福岡市東区に本社を置く運送会社も高卒採用に力を入れています。 西久大運輸倉庫 中村幸喜 人事部長「2024年問題の中、やはり人材の奪い合いというのが全国的に非常に激しくなっております。1人を雇うのにもコストが非常に上がっている状況です。ですから経験者が一番いいわけですけど、それと平行して若い力高卒採用に力を入れていくことが重要だと考えています。」 高校卒業後にこの会社で働き始めた小濵遥斗さんは、研修を受けながら、会社の補助を受けて準中型免許を取得。 去年の7月にトラック運転手としてデビューしました。 高卒2年目ドライバー 小濵遥斗さん「周りも進学している子たちが多かったので、やっぱり自分だけ社会人というプレッシャーがありましたね。小学生の時から大きいトラックを運転するのにあこがれて自分も運転が好きなので、大型トラックドライバーを目指して今、頑張っています」 一緒に働く上司との年の差は20歳。 それでも、優しく指導してくれる先輩に支えられ、高卒で働いてよかったと言います。 そして今年は、高卒の社員2人が入社しました。 高卒2年目ドライバー 小濵遥斗さん「最初はやっぱり大変なことや苦しいこともあると思いますけど、達成感とかやっててよかったなってことが必ずあると思うので、後輩たちも頑張ってほしいなと思います。」
西久大運輸倉庫 中村幸喜 人事部長「高卒採用を途切れさせずに、毎年毎年少しの人数でも構いませんので、繋げていきたいなと考えております。高卒の社員が、自分の5年後10年後の姿をイメージできるようにしていくことが、私たち企業にとって必要だと思っています。」 ■高い離職率が課題 就職を望む声が大きくなる一方、高校卒業後に就職した人の3年以内の離職率は37.0%と、大学生に比べて高い傾向があります。 新入社員にいかにして仕事のやりがいを感じてもらい職場に定着してもらうかが企業にとって大きな課題となっています。
RKB毎日放送