「メイクはメンタルにすごく影響する」アスリートの「美」を支える“アスリートビューティーアドバイザー”の活動とは?
◆生徒から先生、そしてアスリートへ…
藤木:(起業して)実際にどのようなアプローチを始めたのですか? 花田:私は体育会系の大学出身なのもあって、周りに学校の先生の友達が多いんです。そこで、「あなたの教え子たちに、誰かメイクレッスンが必要な人はいない?」と聞いたりして、その教え子たちからスタートしました。 すると「教え子の前に、私たちも!」と先生にレッスンをするようになり、そこから少しずつアスリートに近づいていった、という流れです。 藤木:普段のメイクとスポーツするときのメイクで明確な違いはありますか? 花田:明確な違いで言うと“汗に強い”、あとは、しっかりナチュラルにウェアに馴染むかどうか、というところですね。また、競技を屋外でおこなうのか、屋内でおこなうのか、といったところでも変わってきます。 高見:メイク方法でも変わったりしますか? 花田:例えば、ベースメイクをするときは“スポンジに水を含ませてからリキッドファンデーションを塗る”と、(肌に)フィットして崩れにくくなります。
◆メイクはメンタルにも影響する
藤木:仕事に手応えを感じた瞬間はどんなときですか? 花田:(アスリートと)接していくなかで、表情が変わる瞬間を見ていると“これは絶対に需要があるな”と感じました。特に2017年に「ワールドゲームズ」というオリンピックに採用されていないスポーツ競技の世界大会がポーランドでありまして、それに同行させていただいたときに、(メイクをした)選手たちや行政の方、企業の方々の反応を見て“すごく必要とされている仕事だな”と手応えを感じました。 藤木:(アスリートもメイクをしてもいいという)考えが広がってきていて、“(時代が)変わってきているな”と感じますか? 花田:東京オリンピック・パラリンピックのときに“すごく変わったな”という感覚がありました。というのも、指導者の方々からの依頼や相談が増えてきたんです。 今までは、メイクをした状態で練習に来たら「帰れ!」と言われていたけれども、SNSが普及しているこの時代に、ブランディングも含めて“もうそんなことを言っている時代じゃない”と必要性を感じている指導者の方が増えています。 藤木:アスリートの皆さんは(メイクをしたことで)どんな変化を感じていましたか? 花田:「気持ちのスイッチのオン・オフを入れられるようになった」と言ってくれますし、記者会見のときも「自然と背筋が伸びました」「堂々と発言することができました」というような声をいただいています。 藤木:コンプレックスをカバーすれば、より競技に集中できて、気持ちも乗っていくのではないかと思いますよね。 花田:私もそう思います。やっぱり(メイクをすることで)強気になれたり、積極的になれたりして、メンタルにもすごく影響すると思っています。 (TOKYO FM「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」2024年3月9日(土)放送より)