ゼムノビッチ氏、森保監督に提言 「中国戦は、出番の少ない選手の起用を!」
2026年サッカーW杯アジア最終予選C組で国際サッカー連盟(FIFA)ランキング15位の日本は15日、アウェーで同130位のインドネシアに4-0で快勝。日本は4勝1分けの勝ち点13とし、C組首位で最終予選を折り返した。元J1清水監督で、海外サッカーに精通するズドラヴコ・ゼムノビッチ氏(70)はサンケイスポーツの取材に応じ、インドネシア戦を分析。次戦第6戦中国戦(19日、福建省アモイ)に向け、控え選手の起用など提言した。 インドネシア戦は序盤に3バックの両サイドの空いたスペースを突かれ、何度か危ない場面があった。GK鈴木の好守もあり失点はしなかったが、私はあそこで先制点を許しても負けなかったと思っている。それだけ今の日本の攻撃力はアジアの中で群を抜いている。 決定機を得点に結びつけるか否か。それはそのチームのレベルを表す。好機で決められないインドネシアに対して、日本は確実に決めた。雨のピッチ状態にも慣れてきた日本は、MF遠藤、MF守田の2人のボランチがうまく試合をコントロール。特に守田はゴールにつながるパスの起点となったり、自分でも得点。その存在感を示していた。 日本はこれでW杯アジア予選突破が大きく近づいた。次の中国戦に勝てば、本大会の切符はほぼほぼ手中に入るといえそうな状況だ。この大事な中国戦では、森保監督にはこれまで起用の少なかった選手を試してほしい。 本大会出場を決めてから試すのも一つの方法だが、ノープレッシャーの中で起用しても選手の能力が分かりづらい。ホームで7―0で勝っている相手だが、中国はホームでは結果を残すため、サポーターに恥ずかしい姿を見せないために闘志をむき出しくることが予想される。完全アウェーの中、結果は絶対に求められるプレッシャーのある中で、何人かの選手を試し、その能力を見極めてほしい。泳げない人を浅瀬でゆっくり練習させ泳げるようにさせる。代表チームにはそのような時間はない。少し強引だが、いきなり深い海やプールで泳がせて、うまくいくかどうかを試す。そのような状況から実力のある選手は出てくるものだ。 私の旧友でレアル・マドリード(スペイン)の監督も務めたミラヤ・ミラニッチ監督は、レッドスター(セルビア)でトップチームの出番のなかった新人の選手を、レアル・マドリードとの試合にいきなり起用した。それも当日に先発を告げてだ。その選手は期待に応えて活躍。クラブに欠かせない選手となった。今度の中国戦は、日本の優位は変わらないだろう。だが、最終予選という重圧が間違いなくかかる。そのような中で、テストをして、日本の武器になるような選手を見いだしてほしい。