能登半島地震から1カ月 再液状化、自然ダム...データや調査から分かった次のリスク【WBS】
能登半島地震の発生から1日で1カ月です。被災地では、壊れた家具の回収も始まるなど、日常に戻る動きがある一方、データや調査から分かった次のリスクへの警鐘もならされています。 【動画】能登半島地震発生から1カ月 長引く避難生活を支援 1日午後4時10分、石川県の各地で捧げられた黙とう。代表的な観光地で大規模な火災があった輪島朝市でも黙とうが捧げられていました。輪島朝市の被災者は「輪島朝市は私たちの原点であり全てなので、時間はかかるかもしれないけど必ず復興したい」と話しました。 能登半島地震の発生から1カ月。死者の数は新たに2人増え240人に上りました。いまだに15人の安否がわかっていません。地震の爪痕が残る中、1日に始まったのが、壊れた家具などの災害廃棄物の回収作業です。回収しやすいよう「災」の文字が書かれたゴミが道路脇に置かれていました。 「少しほっとした。家の中がごちゃごちゃになっているから出すのが大変」(被災者) 一方、政府は1日、被災者支援に向けた「復旧・復興支援本部」の初会合を開催しました。 岸田総理は「能登地域、6市町を中心に、地域福祉の向上に資する新たな交付金制度を設ける」と発言し、被災世帯への支援金については現在の最大300万円から高齢世帯などを対象に600万円まで増額する方針を示しました。
次なるリスク再液状化とは?
地震から1カ月が経ち、次のリスクについても意識され始めました。地盤調査などを手がける「ジャパンホームシールド」が1日開いた現地調査の報告会では、液状化による被害が強調されました。 「水が噴き出し、砂も噴き上げる。地盤が変状し、建物などに被害を与える」(「ジャパンホームシールド」の酒井豪さん) 通常、地中では土の粒子同士がくっつき、隙間を水が満たすことで地盤を支えていますが、強い揺れで土の粒子が離れることで水に浮いたような状態になります。その結果、家屋など重たい建物は地中に沈み、マンホールのような比較的軽いものが浮き上がってきます。ひどいケースでは、過去に団地が横倒しになるケースもありました。 能登半島地震では多くの土地で液状化が見られ、被災者が自宅を追われるという結果に。さらにこうした土地にはある特徴があるといいます。 「過去に液状化が起きた履歴があるところで再発生する再液状化現象が確認できた」(酒井さん) 次のリスク「再液状化」です。液状化が発生した地域で復旧復興が進んでも余震も含め、再び大きな揺れが発生した場合、また液状化が起きる可能性があるといいます。 「薬液を注入し地盤を固めるなどいろいろな方法はある。地域全体で液状化対策をするなど検討が必要」(酒井さん)