【山口県】[下松市]問われる地域移行の整備 12月1日にも吹奏楽スタートか? 生徒、教員の格差も表面化
2026年度をめどに中学部活動が廃止され、地域クラブでの活動に変わる「部活動地域移行」。全国的に進められているが、その制度や進め方は各市に委ねられている。 下松市では週5日だった部活動の日数を段階的に減らし、2026年度以降は休日の部活動を終了して、部活は平日2日のみ実施する予定。地域での受け入れ体制が整った時点で地域クラブへ移行するとしている。
動き出した吹奏楽
同市は12日に「第5回下松市小中学校部活動地域移行推進協議会」を開き、進捗状況と今後の進め方について報告。スポーツ部はすでに7月から受け皿となる地域クラブの登録を開始している。 一方、文化部は今年度中に募集を開始する予定で、吹奏楽は文化部の中でも指導者や楽器、練習場所など特に課題が大きいとされている。 同市では吹奏楽を文化部の括りから切り離し、活動場所と楽器の保管場所は学校、楽器購入と修繕は市から予算を出すという、従来と変化の少ない運営方針を示した。 指導者の問題は地域クラブの設立を各学校の父母会に打診して、指導者や地域人材を確保する方法を検討。しかし、新たな指導者の確保は困難なため、指導者が見つかるまでは現在の担当教員が継続して指導すると想定している。 すでに指導者が確保できて、12月1日からの地域クラブの開始を進めている学校もあるという。その動きに伴って、吹奏楽はほかの文化部に先駆けて地域クラブの登録を受け付ける。
PTAは大会費用を助成しない方針
地域移行で懸念されるのが大会出場などに係る費用問題。学校部活動では各校のPTAが集めた保護者からの寄付や市からの激励金があったが、市小中学校PTA連合会の逸見勇介会長は「学校部活動と地域クラブが並行する場合、どちらで大会に出るのか」を問い、地域クラブは学校活動と離れることから、PTAは助成しない方針を示した。 市地域振興部の真鍋俊幸部長は「地域クラブに全て負担してもらうのは難しい。市もなるべく頑張らなければ」と意向を述べた。