堀口恭司が“格闘聖地”MSGでベラトール世界王座獲得の快挙!
RIZIN初代バンタム級王者の堀口恭司(28、ATT)が14日(日本時間15日)、米国ニューヨークの“格闘技殿堂”マジソン・スクエア・ガーデンで行われた「Bellator 222」でベラトール世界バンタム級王者のダリオン・コールドウェル(31、米国)に挑戦、5分5ラウンドで行われたタイトルマッチに3-0の判定で勝利し新王者に輝いた。コールドウェルは、上になって金網(ケージ)に堀口を押し付ける時間が長かったが、堀口のパンチを怖がりアクションを起こさず、ジャッジ2人が「49-46」で堀口の打撃を支持する圧勝だった。堀口にとって「RIZIN」のベルトに続く“2冠”。総合格闘技団体の頂点にある「UFC」に次ぐ、北米でのメジャーベルトを日本人として初めて腰に巻く快挙を成し遂げた。
ブーイングの中で試合終了
「ブーイング」の中で試合終了のゴングが鳴った。 レスリング出身でノースカロライナ州立大時代にNCAAディビジョン1で優勝経験もあるコールドウェルは得意のグランドの展開に持ち込み、ケージに堀口を押し込み、腰、足をクラッチをしたまま座った状態にして動きを封じるが、堀口のパウンドの反撃が怖く、スタミナもキレて、それ以上何もしない。ただ時間稼ぎをするだけの膠着がずっと続いては、さすがに地元ニューヨークのファンもコールドウェルにブーイングを送るしかなかった。しかも、最後もそのただケージに押し付けているだけの消極的な状態のまま、5ラウンド終了のゴングが鳴ったのである。 タイトルの行方は判定に委ねられることになった。だが、判定は微妙だった。明確なラウンドは、片足タックルからテイクダウンをとったコールドウェルがケージに堀口を押し付け左手をロック。果敢にエルボーを浴びせた第1ラウンドと、がぶった体勢からフロントチョークを狙い、パンチを腹部へ浴びせ、上になっては完全に動きをコントロールした堀口の第3ラウンドだけ。 残りの3ラウンドは、どちらに転んでも不思議ではなかった。コールドウェルが、堀口を座った状態にしたまま足を上げさせ、立たせないようにしていた時間は確かに長かったが、ただそれだけ。そこから先の攻撃意志は見られず消極的だった。 一方の堀口は下になりながらもコツコツと小さなパンチを打ち続けたが、ダメージブローにはならなかった。手足の長いサウスポースタイルのコールドウェルの距離に戸惑い、懐に飛び込んで武器である必殺のパンチを打ち込むことはできなかった。 ジャッジの見方によって判断が分かれるような試合だった。それでも堀口には勝利の確信があったのか。最終ラウンドに右目尻をカットしたが、判定を待つ間にも笑顔が浮かんでいた。 ジャッジペーパーが読まれた。 「48-47」が1人、2人が「49-46」。ユナシマステジション(3-0判定)だと予告してからアナウンサーが「ニュー(新王者)!」という言葉を発した瞬間、堀口は両手を突き上げ「やったあ!」と日本語で叫んだ。 堀口が格闘界の歴史を塗り替えたのである。