「隠蔽の指示は一切なかった」鹿児島県警本部長、前部長の指摘を否定
内部文書を第三者に漏らしたとして、国家公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで鹿児島県警の前生活安全部長が逮捕された事件で、前部長から「県警職員の犯罪行為を隠蔽(いんぺい)しようとした」と名指しされた野川明輝本部長が7日、前日に続いて報道陣の前でコメントし、隠蔽の指示を否定した。 【写真】「隠蔽(いんぺい)を意図して指示したことは一切ない」と話す鹿児島県警の野川明輝本部長=2024年6月7日午後6時2分、鹿児島市の県警本部 5日に鹿児島簡裁で示された勾留理由などによると、前生安部長の本田尚志容疑者(60)は3月28日ごろ、霧島署員の関与が疑われたストーカー規制法違反容疑事件で、公表を望んでいない被害女性の名前が記された文書を、札幌市在住のライターの男性に郵送した疑いがもたれている。捜査関係者によると、この際、同僚だった前刑事部長の名前や住所などを問い合わせ先として同封していたという。前生安部長と前刑事部長はいずれも3月25日付で退職していた。 前生安部長は簡裁での意見陳述で、枕崎署員による盗撮容疑事件について、県警トップの野川本部長が「最後のチャンスをやろう」「泳がせよう」と言って着手せず、「隠蔽しようとした」と主張した。市民の個人情報をまとめた「巡回連絡簿」を悪用したというストーカー事案についても公表されず、「不都合な真実を隠蔽しようとする県警の姿勢に失望した」と述べた。 野川本部長は7日、盗撮容疑事件など二つの事案について「いずれも必要な対応がとられていた」と反論。「隠蔽を意図して指示を行ったことは一切ありません」と強調した。前部長の主張に対して詳細は語らず、「捜査が終結した際には説明したい」とも話した。
朝日新聞社