「残クレって得なの?」残価設定ローンと通常のローン、比べてみたそれぞれのメリット/デメリット
残価設定ローンのメリット/デメリット
次に、近年「新しいローンの形」として市民権を得つつある「残価設定ローン(いわゆる残クレ)」のメリット/デメリットについて取り上げてみたい。便利である分、デメリットもそれなりに大きいのだ。 ────────── ◎メリット ────────── ・通常のローンよりも、高額なクルマ(国産上級車など)に手が届きやすくなる ・通常のローンよりも、低金利で設定されていることが多い ・リセールバリューがよいクルマであれば、自己資金をあまり減らすことなく乗り換えが可能になる場合も ────────── ◎デメリット ────────── ・改造はできない(ノーマルが基本)、過走行や傷・板金塗装の有無などに応じて査定額が減額される ・不人気車だと最終回月の残債が下取り額を上回ってしまう可能性がある ・”残クレのループ”に1度はまると、返却/他車への乗り換え時などに残債がゼロの状態に戻しにくくなる(常に残債を抱えている状態)
まとめ:現金一括派でも、少額ローン契約で交渉が有利になる場合も
住宅ローン以外は現金一括!ローンは組まない!」といった確固たる信念をお持ちの方もいるはず。たしかに「自分の身の丈にあった買いものをする」という点においてとても、堅実な考えであることは確かだ。 しかし、クルマの契約だけが販売店に課せられた目標(ノルマ)ではない。自動車保険はもちろん、ローンの契約もノルマに含まれることが多い。 つまり「60回とはいわないが、2回でも3回でもいいからローンを組んでほしい」というのが、販売店側の本音だったりする。 販売店とすればローン契約が1つでも増えればいいので、細かい条件に関しては契約者にお任せ。契約者からすれば、多少の手数料を払うことにはなるが、ローンを組んで(現金一括できるぐらいなのでおそらくは)無事に完済という実績が付く。ローンを組んでくれた代わりに「何らかの色(おまけ)」を付けてくれるケースも出てくるはず。 そこで、実際には現金一括で買えるのに、あえて2回(もしくはそれ以上)のローン契約を結ぶ。あるいは頭金を多めに入れて、少ない残債(たとえば10万円単位の端数など)をローンで組むなど、いろいろな方法がある。 「ローンはぜったいに組まない」と固持せず、時には柔軟に対応することで、その行ために対して販売店側が「ありがたく」感じてくれることも。いわゆる”Win-Win”の関係というわけだ。 安心かつ充実したカーライフを送るうえでも、売る側も買う側も「損して得取れ」の精神で、時にはローンを有効に活用したい。
────────── ●文:松村 透(月刊自家用車編集部) ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。※各写真はイメージです。
月刊自家用車編集部