適度なトルクで締め付けてもオイルドレンボルトからオイルが滲む時は、ガスケット素材の見直しが有効かも
自動車用ではポピュラーなコーティング仕様のドレンガスケット
平板タイプのガスケット素材は相手の表面形状に追従できる柔らかさを備えた銅かアルミニウムというのが定番ですが、これらのガスケットでオイル滲みが発生する際に試してみる価値があるのがコーティングタイプのガスケットです。 ここで紹介するデイトナ製ドレンボルトガスケットはアルミニウム素材にアスベストフリーコンパウンド、アンティスティックコーティングを施した三層構造で、金属に比べて柔らかい二層がエンジンとドレンボルトの表面に密着して凸凹に追従することで高いシール性を発揮するのが特長です。デイトナではこの他にゴムをコーティングしたドレンガスケットも販売しており、いずれも絶版車や旧車のエンジンからのオイル滲み止めに効果があると好評です。 三層構造のガスケットにはM8、M10、M12、M14用の4サイズがあり、バイクはもちろんドレンボルト径が合えば自動車のオイルドレンボルトにも使用できます。そもそもコーティングタイプのドレンガスケットは自動車用で普及した部品ですが、バイク用品店で手軽に購入できることから自動車用として使用している人も多いようです。 オイルドレンガスケットはコーティングタイプでも一個あたり200円未満と安価な部品です。それに対して、滲みを止めようと過剰なトルクでドレンボルトを締めて雌ネジを傷めた場合の修理コストはガスケット代をはるかに上回ります。ガスケットを何度使い回してもまったく滲みが発生しないこともありますが、繰り返し締め付けることでガスケットが潰れる手応えがなくなり、意識せず強いトルクで締め付けることでネジ山にダメージを与えてしまうリスクもあります。 コーティングタイプのガスケットはオイルドレンボルトからの微妙なオイル滲みを防止する効果が期待できる上に、バイクのメンテナンスで最も基本的なエンジンオイル交換で余計な仕事を増やさないためにも有効な部品です。同じボルトの使い回しでこれまで運良く滲みや漏れがなかった人も、ジワジワ滲むオイルを見つけるたびにウエスで拭き取っている人も、愛車のドレンボルトのサイズに合った新品ガスケットを使用することをお勧めします。
栗田晃